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2008年9月12日 (金)

子供のための劇場

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*THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY 全景。


そもそもミネアポリスに来ることになったのは、
夫が文化庁の「 新進芸術家海外留学制度 」と呼ばれる、
日本の芸術家を支援するプログラムに受かったから。
思い立ってから、実際に行動に移して合格するまで、
苦節○年…。桃栗三年、柿八年というけれど、
桃は確実に育っていてもおかしくはない。
今年実現できたことは、本当に本当にありがたいことだ。
彼の渡米に力を貸してくださった方々や、
職場の方々の協力や理解がなければ決して成り立たなかった。
この場をお借りして、心より感謝を申し上げます。


ミネアポリスはニューヨークのブロードウェイの次に
人口に対する劇場の数が多いといわれ、
文化レベルが非常に高い土地。
こちらでできた友人が、演劇の質の高さは、
その街の教養レベルや公共施設の質、公立学校の質を
物語ると言っていた。


夫が研修させてもらっている THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY は、
子供向けのお芝居を1年中、しかも自催公演で打ち続けている。
昨晩、夫の上司にあたる方の計らいで、
こちらに来て初めて夫が見学させてもらっている作品の
初日公演にご招待いただいたので、ありがたく拝見してきた。
平日19時開演にも関わらず、家族でお芝居を観に来ている。
もちろん、両親が揃って子供を連れて来ている。
しかも、800席ある劇場が満席なのだ!


公演自体は、役者さんの演ずる現実の世界と、
影絵を使って表現するスクリーンの中の虚構の世界を、
自由に行き来する、独創的な手法。
大道具は、時にベッドになったり、舟になったりするし、
影絵を映すスクリーンには大きな布を使用し、
その布は、舟の帆になったりもする。
大人が観ていても、ワクワクドキドキしてしまう。
その手法を子供にも体験してもらうために、
ロビーには劇中で実際に使う小道具と同じ人形を置いてあり、
開演までの時間や終演後に、子供が体感できるようになっている。


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日本では、子供向けというと、着ぐるみを来た登場人物が
子供向けの言葉で話しかけ、歌をうたうなどのイメージがあるけれど、
そういうものとはかけ離れた大人も充分に楽しめる内容で、とても創造的。
衣装などの小物もすごく凝っていて、上質な素材や、
カラフルで華やかな色合わせなど、隅々まで趣向が凝らされている。
演出を作り上げていく過程へのこだわりも同様で、たとえば、
ひとつの作品に関わる出演者やスタッフが、
みんなと呼吸を合わせるために、演出家の意向でヨガなどを含める
身体を動かすワークショップを行なう日が5日間も組まれているそうだ。
演出方法も含め、そういうディテールやプロセスへのこだわりが、
全体のクオリティーをあげているのがひしひしと伝わってくる。


平日の日中は学校と連携しているようで、
毎日スクールバスが大げさではなく10台くらい横付けして
入れ替わり立ち代わり、幼稚園や小学生が観賞に来る。
公共施設とも連携が図れているようだ。


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*スクールバスの縦列駐車。

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*この日はスモックで色分けされた園児たちがたくさん。


日本でも、子供向けのお芝居を開催しているところはあるが、
子供向け専門に毎月自主興行している劇場はないのではないだろうか。
こんな劇場が日本にもあったらいいな、と心から願う。
そのためには、やはり企業や個人の投資や寄附が必要なのだろうな。
実現するには、あと20年?いや、40年…?

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