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2008年9月10日 (水)

お気に入りの美術館

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*WALKER ART CENTER 全景。


ミネアポリスに来て驚いたのは、
地域に根ざした企業や個人の投資家が、
すすんでカルチャーやアートシーンに投資していること。
劇場や美術館には、企業や投資家の名前がついたホールが
数多く見受けられ、もちろん、日本でもそういうケースは
多々あるけれど、カルチャーが企業や個人の出資によって、
ここまで明確に支えられている地域は見たことがなかった。
そして、企業や投資家によってサポートされていることで、
入館料が無料の美術館があったり、そうでないところも
入館料無料の日をつくったりと、
市民がアートを身近に体験できるようにしている。


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*WALKER ART CENTER からダウンタウンを望む。


たとえば、私が大好きなコンテンポラリーアートミュージアム、
WALKER ART CENTER の入館料は$10。決して安くはない。
でも、木曜日は午後9時まで開館していて、5時以降は無料。
併設している MINNEAPOLIS SCULPTURE GARDEN は、
夜中の12時までやっていて入場無料。
WALKER ART CENTER の年間会員になるには個人会員$50。
デュアル会員(同居会員)はふたりで$60。
会員になると常設展、企画展を問わず、
1日に何回行っても無料で、ミュージアムショップやカフェ、
レストランは、すべて10%OFF。その他のイベントチケットは
50%OFFだし、館内で行なわれるダンス公演や映画なども
会員割引価格だし、企画展のレセプションにも参加できる。
決して安くはないが、単純計算で入館料だけでも、
3回行けば元がとれるし、その他の特典が豊富だ。
私は2週間であっという間に消化した(笑)。


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ちなみに、毎月第一土曜日は“家族の日”と題して、
入館料が無料なだけでなく、子供向けのものづくりワークショップや、
映画、朗読など、さまざまなアクティビティが用意され、
カフェなども連携して、家族で気軽に楽しむ機会をつくり出している。


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この背景には、キリスト教の宗教的観念「愛を分け与えること」が
強く影響しているのだと、こちらに30年以上住んでいる日本人の方が教えてくれた。
富裕層はすすんで寄附をして、一般市民は惜しみなくボランティアをかってでる。
社会や地域のためになりたいという意識をもつのは普通で、
仕事をもっていても、人生に経験価値をつけるために、
ライフワークとして取り組んでいる。
実際に大学受験の面接では、今までにどんなボランティアを
経験したかと聞かれ、どんなことに興味をもち、
どんな活動をしてきたのかも、その人を知る重要な手がかりとされているらしい。
日本人は、趣味や習い事、がんばった自分へのご褒美など、
消費活動を通して「経験価値」を増やしていいく傾向があるから、
「学ぶのにお金を払わず、無料で経験させてもらっている。」
という感覚を真に理解できるのには、たくさんの時間が必要なのかもしれない。


話は大分それたが、ミネソタのとりわけ“TWIN CITIES”は、
ニューヨークやカリフォルニアなどの都会と比べると、
「自分たちが住む土地でいかに豊かに過ごすか」
に目が向いているような気がする。
また、小さい時から子供もアートに触れることができるから、
次世代へと繋がる土壌が脈々と受け継がれているのかもしれない。
まさに、市民やビジネスがカルチャーを育む街なのだ。

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