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2008年12月

2008年12月30日 (火)

セロリのきんぴらとお麩入りひじき

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こちらはセロリが安い。
元々セロリは大好きだけど、日本では割高で頻繁には買わなかった。
こちらではいつも冷蔵庫にセロリを入れてあって、野菜スティックに、
スープに、サラダに、煮込みに、と大活躍だ。
今回は義理の母が送ってくれた、山形の新米に合わせて、
何か和風のおかずをと思って考案した「セロリのきんぴら」。
セロリは繊維を切るように斜めに、好きな大きさでザクザクと切り、
ごま油で炒めて、お醤油とブラウンシュガーを少々。
最後に七味か一味をふって、炒めた余熱でなじませる。
シャキシャキとする歯ごたえを少しだけ残すとおいしい。
もちろん、お酒の肴にもぴったり♪


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こちらも義母から送ってもらった日本の食材で作った「お麩入りひじき」。
こちらで生活をしていると、こういう日本のシンプルなおかずが一番おいしく感じる。
お揚げが手に入らないのでコクがイマイチ出ないけど、
お麩を入れて、その歯ごたえを楽しめるようにしたら、とってもおいしくできた。
義母のおかげで、日本食が恋しくならずにすんでいる。
こういう食事ができる毎日が本当にありがたい。心から感謝。
小さな幸せが、大きな幸せに感じられる毎日。


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壮行会

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ミネアポリスに研修ビザで1年半滞在していた日本人のお友達が、
12月の半ばに帰国することになり、数人で集まって壮行会をした。
数品持ち寄りだったので、トルティーヤを散りばめた「アボカドとスピナッチのサラダ」と、
この間のお料理教室で習った「アップルクリスプ」をデザートに持って行った。
特に「アップルクリスプ」づくりに至っては、
いつも使い切る自信がなくて買ったことがなかったオートミールを初めて買い、
ブラウンシュガーしか家になかったので、オーガニックシュガーを買ったり。
いつも材料ありきで適当に料理をするので、
何かを作るために材料を買いそろえることがほとんどない。
行程自体はとてもシンプルだけど、初心者の私はちゃんとできるのかドキドキしながら進む。
お菓子づくりは正確さが大切な鍵だと、パティシエの友達に習ったので慎重に分量を量り、
丁寧に混ぜ合わせる。しかもアメリカのレシピだったから、
アメリカサイズの単位とカップ数を日本のカップに換算したりして、
数学が苦手な私は一生懸命頭をひねった。


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結果、なんとかカタチになった。
砂糖を4割減くらいで計算して作ったのに、なぜかまだ甘かったけど…。
付け合わせには、経験済みの豆冨クリーム。
前回レシピ通りに木綿豆冨で作ったら、ざらりと下に残る感じだったので、
今回は絹ごしを使ってみたら、とても滑らかでクリーミーに仕上がった。
みなさんの反応も上々。これなら、私でもまた作れそう。


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ちなみにこちらは、ホストのお友達が作ったイタリア人直伝のティラミス。
すばらしい!しかも、甘すぎずおいしかった。


壮行会で送り出したお友達は、
ビザの滞在可能期間が終わっての帰国だったのだけれど、
外国人か否かに関わらず、近頃こちらでも経営難の話をよく耳にする。
日本同様、あまりの不況に解雇されたり、志願退職を募っていたり、
どこの企業も先行きはとても不安のようだ。


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*お友達からいただいたテレビ台。夫が立て板の位置を付け替えて、見事HDプレーヤーが収まった。


彼女の引っ越しの際に、使っていた家財道具を一部引き取らせていただいた。
私たちは1年しかいないのだからと、買うものは必要最低限のもにとどめ、
つとめて部屋に愛着がわかないようにしてきた。
ところが…、引き取り手がいないからもらってくださいと彼女が言ってくれたモノたちは、
私たちが、あったらいいなと思うものばかりだったし、
もしも私が彼女だったら、知り合いに活かしてもらえるなら嬉しいと思ったので、
積極的に引き取らせていただいた。


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*半円でテーブル部分が開き、収納になっている。今はお気に入りの花瓶にお花を飾っている。


しかもランプに至っては、買おうと思っていた矢先にいただいたので本当にありがたかった。
ランプや小さなテーブルや棚が入っただけで、不思議とぐっと家らしくなってきた。
私たちがこちらに来て、もうすぐ4か月が経とうとしている。
すでに、全滞在期間の1/3が経過することになる。まさに、光陰矢の如し。
この勢いだと、あっという間に半年が経ち、今度は私たちが帰国の番だ。
せめてそれまでの貴重な時間を、
日本へひと足先に旅立って行った彼女のおかげで、
すっかり過ごしやすくなった部屋で大切に暮らそう。


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*あかりって大切。ランプが端に来ただけで、部屋が落ち着いて見える。


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*彼女の冷蔵庫に入っていた食材で作った「スモークサーモンとトマトのパスタサラダ」。

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2008年12月29日 (月)

まだまだクリスマス

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今月半ば、少し早めのクリスマスパーティに2つご招待いただいた。
ひとつめは、夫の研修先 THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY の、
大道具さんが主催するクリスマスパーティ。
お世話になっている取引先や、UNION(組合)関係者、役者さん、職員などが招かれていた。
さすがは Scene Shop(大道具さんの部署名)!
テーブルも椅子も、天井から吊られた即席シャンデリアもクリスマスツリーもオリジナル。
お料理も持ち寄り形式で、とっても食べきれないほど豪勢だった。


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当日は、夫も赤いエプロンをしておもてなしする側の一員。
パーティのような類いの場所では、役割がないと基本的に身の置き所がない私も、
何かのお役に立てればと、ところどころお手伝い。
アメリカのパーティでは珍しく、お酒もたくさん出て、
アメリカではクリスマスの定番、エッグノッグ(ラム酒やブランデー、ウィスキーをベースに、
牛乳かまたは生クリーム、泡立てた卵、砂糖、ナツメグを入れたカクテル)も一番人気。


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*お菓子の家も手づくり♪


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普段はこんな感じのロフト型の大道具部屋。
劇場内で行なわれるお芝居のすべての大道具を作る部署なので、
屋根も高く、行程を問わず、木工や鉄工、背景画など、すべての作業が可能だ。
夫がお世話になっている部署の方々にお目にかかることができただけでなく、
どんな風に仕事をしているのか垣間みることができた。
しかも本当にいい方ばかりで、とても安心した。


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*ミネソタ大学のあるバス停。10種類ほどバスが通るので50人くらいの人が今か今かと待っている。


もうひとつは、いつもポットラックパーティやお料理教室などにお誘いいただいている、
ミネソタ生活27年の日本人ご夫妻主催のクリスマスパーティ。
私の住まいからだとバスで行くには少し不便だったので、
いつもはご親切に車をもっていらっしゃる方がピックアップしてくださっていたのだけど、
今回は初めてバスを乗り継いで行ってみることにした。
そうしたら行く道すがら、とてもステキな発見があった。
ミネソタ大学のミネアポリス校舎とセントポール校舎を結ぶシャトルバスには、
ポータブルのオーディオプレーヤーが客席に置かれていたのだけど、
多分運転手さんの趣味だと思われる、なんともセンスのいいジャズが流れていた。
そのジャズがイントゥルメンタルで、なんとも心地よく、
白銀の世界をひた走るバスの速度と相まって、
まるで何かのミュージックビデオを観ているかのようだった。


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*運転手さんの私物と思われる、少し時代遅れのポータブルオーディオプレーヤー。


大抵のところにはバスで行くけれど、今回はちょっと難しそうだった。
車だと20分で着くのに、バスだと1時間半かかる。
この日は-12℃くらいだったのだけど、途中まで行って、
乗り換えるバス停で30分も待たなくてはならず、
周りにカフェもなければ、ガソリンスタンドもない…。
もうお家の側まで来ていたので歩けるかどうかお電話して聞いてみたら、
「バスで来たの?!電話くれたら迎えに行ったのに!」と、
結局途中まで、しかも旦那様に迎えに来ていただいた…。


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*ミネソタオーケストラのチェリスト、イソムラサチヤさん。


旦那様は、実はプロの音楽家。
ミネアポリスに拠点を置く、Minnesota Orchestra のチェリスト。
当日はご自宅にいらしたので、奥様のピアノと共にチェロでクリスマスソングを弾いてくださった。
プロの演奏を、こんな距離で聴けるとは!滅多にない贅沢な時間に、ただただ感動する。
なんと、このチェロは270歳。つまり、1740年代にイタリアで作られたもの。
楽器もチーズやワインと同じで、古いものほど Mature(熟成された)な音がするのだそうだ。
チェロの音色に耳を傾けながら、270年前のイタリアでこのチェロが作られた場所は、
どんなところで、どんな人たちがいたのだろうと思いを馳せる。
とてもあたたかいクリスマスパーティだった。
外はどんなに寒くても、中はほっこりするような出来事が、
ミネアポリスにはたくさんある。


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2008年12月27日 (土)

クリスマス

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久々に更新。
いやはや、今月は実に慌ただしかった。さすがは師走。
blog を更新することも、今の私にとってとても大切なことなのに、
それよりも優先させなくてはいけないことがたくさんあった。
東京で仕事をしていた頃よりはずっと時間があるはずなのに、
それなりに忙しいから、時間とは不思議なものだ。
誰にも与えられる同じ尺度だけど、特に私の場合、感覚的な要素が強く影響する。


この数週間、実にたくさんのことをした。
日本の家族や友人たちに贈り物をしたり、クリスマスパーティにお招きいただいたり、
新しいボランティアが始まったり、サンタさんになったり、旅にも行った。
そのことは、追々書き記していくことにして、
まずは25日にお招き頂いたアメリカのご家庭でのクリスマスディナー。
このご家庭では、ターキーをメインにスタッフィングと呼ばれる付け合わせが4〜5種類あって、
茹でインゲンや、マッシュポテト、野菜スティックに、グレービーソース…。
ライスプディングはデザートみたいに甘いけど、お料理と一緒にいただく。
中でも、このお宅でいただいたマッシュポテトが、とてもおいしかった。
乳製品が苦手な私は、バターや生クリーム、牛乳の味がして、どうも大満足!とまではいかない。
でもこのお宅のマッシュポテトは、オリーブオイルと Rice Dream というお米でできたドリンクで作られていて、
どちらも大好物だったので、私にとっては最高の組み合わせ。
Rice Dream の代わりに、豆乳を代用してもおいしいはず。


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そもそもクリスマスの定番、「赤」と「緑」、そして「灯り」の意味を、
お恥ずかしながら、今年初めて知った。
「赤」は、イエス・キリストが十字架に釘付けにされた時に流した血の色。
「緑」は、平和の象徴、すなわち永遠を表し、
「灯り」は、道を明るく照らし、進む方向を指し示す道しるべの意味合いがあるのだそうだ。
25日にお招きいただいたご家庭のある Maple Grove(メイプルグローブ)という地域は、
クリスマスのライト装飾が有名で、どの家庭も様々な趣向を凝らして家や庭を飾っている。
日本でもライトアップはクリスマスの風物詩のひとつになっているけれど、
そんな意味が込められているとは、この歳になるまで知らなかった。


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ディナーの前には、友人のご主人が教会で行なわれるミサの伴奏をされると聞き、
せっかくだからと音楽を聴きに教会に足を運んでみた。
この日に行った教会は、THE BASILICA OF SAINT MARY という、
ミネアポリスで一番大きなカトリック教会。


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カトリックにも関わらずリベラルな考え方が特徴で、
信者ではない一般の訪問も広く受け入れているそうだ。
外装も見事で、一度中に入ってみたかったのでいい機会だった。
キリストの誕生を祝う厳粛な空気を、少しのあいだ共有させていただいた。


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2008年12月 7日 (日)

運転免許の実務試験

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ここ一週間ほど毎日雪が降り続けている。
雪が降ることにも大分慣れた。ほぼ24H体制で除雪車がくるし、
アパートの管理体制も万全で、通路もすぐに雪かきをしてくれて、
こんなに寒い中、除雪作業をしてくださる方々には本当に感謝。
あったかいお茶でも差し上げたい。
そういったおかげで、雪が積もって歩けなくなることはまずない。
しかもこちらの気候は乾燥しているから、雪がサラサラしていて白糖みたい。
雪が降ってもほとんど濡れないから、傘をさしているひとも見たことがないし、
実際に、帽子とマフラーと手袋があれば充分だ。
しかしこの間、アパート全体のボイラーが壊れたのか、
いつもは暑すぎるほどのオイルヒーターが突然機能せず、あまりの寒さに凍えた。
こちらでは、収入が安定しない家庭には、支払が滞って暖房が使えなくなるのを
避けるための支援策として、ローンという形でガスや電気を安定して供給するプランがある。
暖房器具がストップすると死活問題につながるということなのだ。


話はそれたが、毎日このような状況なので、自然と外出するのが億劫になる。
用事があるから仕方なく外に出るが、あとは家にいるのが一番安全。
ただ、買い物はしなくてはならないし、ボランティアなど多少の用事もある。
安全面や購入するための費用と維持費、残りの滞在期間など、
いろいろ加味したうえで、それでもやはり、車は必須だろうと夫とよくよく話し合い、
中古車を買うことにした。今月末にはようやく車が手に入りそうだ。
そんなわけで、運転免許を急いでとらなくはいけなくなった。
寒い冬を越すために買うのに、冬に運転できなくてはもともこもない。
ただ雪道だし、スリップする可能性も充分にあるので、
ゆっくりと安全運転で、充分すぎるくらい気をつけて運転しなくては。


私たちは日本から国際免許(1年間有効)をもってきたが、
ミネソタのルールで、Visitor(訪問者)であれば運転してもいいが、
居住者となった時点で、60日目以降はミネソタの運転免許を取得しないと、
運転してはいけないことになっている。
しかも、こちらではアルコールを飲む、あるいは買うときにも、
ほとんどの場合、写真付きの身分証明書の提示を求められるので、
毎回パスポートを持ち歩くのも危険だし、身分証明書代わりになるということもあって、
免許をとることに決めた。


しかし、英語のテキストを読み極めるのはかなりの労力で、
期限を決めないとあっという間に時間だけが経ってしまう。
車が手に入る目処がたったことで、ようやく本腰を入れ始めた。
まずはどんな感じで出題されるのか様子を探るためにも、
とりあえずダメもとで受けに行ってみることにした。
試験を受けるためには、揃えなくてはいけない資料があって、
State ID と呼ばれる、州で発行される身分証明書があれば、
それとパスポートでOK。State ID がなければ、Social Security Number(社会保障番号) も
認められるが、私の場合、State ID も SSN もなかったので、
パスポートと、I-94とDS-2019というフォームの他に、
日本から持って来た戸籍謄本とその英訳(必須)に、
日本の運転免許証と国際免許証の計7点で臨んだ。


実務試験はコンピューターテストで、40問出題され四者択一か正誤問題。
日本の試験のように、引っ掛け問題もある。
先に32問正解するか、9問間違えるかで、合否が決まる。
辞書の持ち込みも可能だが電子辞書は認められず、泣く泣く丸腰で勝負。
ダメもととは言いながらも、うっすら期待をした自分がいけなかった。
1日目は見事に失敗。先に9問間違えてしまい、予想以上に落ち込む…。
試験は1日1回受験可能なので、翌日また受けにいくことができるが、
3回目の再試験からは、実務試験で$10、実施試験で$20かかるので、
次回で必ず合格しなければとプレッシャーもあり、不用意には受けられなかった。
ただし時間をかけたからといって、暗記力が保たれる期間も限られているから、
1日空けて再度チャレンジ。一度目に悔しい思いをしたので、
出たところを入念にチェックし、読み流ししていたところもきちんと読み込んだ。
結果、見事100%全問正解で合格!学生の頃だって、パーフェクトなんてとれた試しがない。
私の運も、なかなか捨てたものじゃない。
始めて見たら、なんと前回出た問題が次から次へと出てくる。
もちろん、まるごと同じではないにせよ、数種類あるパターンのうち、
同じものがあたったのではないだろうか。天は私を見捨てなかったのだ。
いま思えば、外国人の私が一度で受かるほど甘くはなかった。
きちんと交通ルールを覚えるには、2度のチャンスをもらえたことで、
ようやく真に理解できたように思う。


本来18歳以上のひとが、ミネソタで初めて免許をとるには、
実務試験後3か月空けてから実施試験を受けなくてはならない決まりだが、
私は日本の免許証と国際免許証があったのですぐに受けられるらしい。
こちらの実施試験には、検定車というものがなく、
保険に加入している車を、自分で持って行かなくてはならない。
また、事前に路上で練習するには18歳以上のミネソタ免許取得者に同乗してもらい、
実施試験までの間に有効な仮免許を携帯する必要があるのだが、
私の場合は、日本の免許証と国際免許証があるので、
免許取得者に同乗してもらう必要もなく、仮免も必要ないらしい。
今までひとから聞いていた内容とはかなり違って、自分だけでいいのはかなり気が楽だ。
あとは、右側車線走行なので、左折後に入る車線に気をつけるのと、
赤信号でも右折できることに慣れることと、縦列駐車の上達が必須。
また、9月からウェイティングリストに載せてもらっていた、
アパートの地下にある屋根付き駐車場も、タイミングよく空きが出そうで、
やはり何事も考えているだけでは前に進まない。
ある程度の熟考も大切だが、まずは行動を起こしてみるものだ。
物事は成るべくして成るようにできているのだと実感する。
なんとか今月中には試験に合格したい。


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*最近の様子。アパートの窓から見る THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY。


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*寒さにも負けず、雪にも負けず、ウチの部屋の窓に絡まる蔦から実を採ろうとするリス。


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2008年12月 5日 (金)

アメリカの食事情

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ミネアポリスの食のオーガニック事情について知りたいと言ったら、
友人に一番始めに連れて行ってもらったのが、この French Meadow Bakery & Cafe
1985年の開業当時から、使う食材のすべてを USDA (アメリカ農務省) 認定のオーガニックのものに徹底し、
消化、栄養吸収がよいとされる自然発酵にこだわったパンをつくり続けている。
ミネアポリスの UPTOWN にほど近い、Lyndale Avenue と 26th Street にあって、
ブレックファスト、ランチ、ディナー、ベイカリー、ケータリングと、
安心な食事ができるカフェにしては、使い勝手がよい。
土日のブランチは、ひっきりなしに入ってくるお客さんで賑わいをみせ、
暖かい季節には、店内はもちろんテラス席までひとで埋め尽くされるほどの人気ぶり。
パンはスーパーに比べたら少々高めだけれど、もちろんおいしいし、
一日前のパンを5〜6アイテム袋詰めにして$2という“Day Old Breads ”はとてもお買い得だ。
カフェメニューは、パンケーキやエッグベネディクト、ラップサンド、サンドウィッチ、
スープ、サラダ、肉・魚料理の他に、Vegan(完全菜食主義) メニューのバリエーションも豊富だし、
Gluten Free(小麦やライ麦などに含まれるたんぱく質の一種“グルテン”が入っていない)
のメニューもきちんと用意されている。
ちなみにこの、Gluten Free。アメリカのスーパーではあまりによく目にする文字。
日本で単語だけは聞いたことがあったけれど、Fat Free 食品のように、
健康管理のために食材を選べるようになっている程度のものとばかり思っていたら大間違い。
これらは、セリアック病と呼ばれる自己免疫疾患対策の食品だった。
セリアック病とは、グルテンの入った食品を摂取すると、
そのたんぱく質によって小腸内膜がダメージを受け、
ガスが溜まったり、下痢、消化不良による胃腸の不快感という症状が出るだけでなく、
小腸の栄養吸収がうまく行われずに、貧血症やビタミン不足を招くというもの。
アメリカでは、100人に1人の割合でセリアック病患者がいるそうだから、
かなりの需要度があると言える。


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*French Meadow Bakery & Cafe 店内のショーケース。
 ただ…、スウィーツは卒倒しそうなほど甘かった…。


こちらに住んで、家庭の食と経済事情について考えるようになった。
アメリカでは肥満や、それに伴う生活習慣病が深刻な問題になっているけれど、
その状況を目の当たりにするまで、食生活の取捨選択は嗜好性によるものだと思っていた。
例えば、私たちはまだ車がないのでバスにとてもお世話になっている。
一般的に、バスは中低所得者層向けの交通手段だと言われていて、
日本人のメタボ族なんて比じゃないほどに太ったひとが多い。
それも食生活にまで気を配れるひとが少ないということなのかもしれない、と、
多少突飛かもしれないが、なんとなく疑問に思っていたので食事情について調べてみた。
すると、ニューヨークに栄養教育学留学中という、ある日本人の方のblogに行き着いた。
『ニューヨーク食育&フード事情』 というサイトで、
そこには私が漠然と感じていた、家庭の経済事情との関係について、
とてもわかりやすく書いてあった。
その中に「1日$1ダイエット」という記事があって、
なんでも、アメリカ人の一日あたりの平均食費は$7と言われていて、
政府による低所得者向けの食料費補助対策“ Food-stamp ”を受けている家族が許可されている、
一人あたりの金額は一日$2〜$3。つまり、低所得者層の家庭はむろん、
中堅層家庭でも健康的な食事を維持するのはひと苦労だというのだ。


これを読んで、肥満には嗜好性だけでなく、経済事情も大きく影響するのだという裏付けができた。
また近年では、離婚率も高くなっていて、中低所得者層で離婚した女性が子供を育てている家庭では、
栄養環境が行き届かないことも極めて多く、二次的な病気を招き、
医療費や社会保障問題にも発展しているという。
先にあげた、USDA(アメリカ農務省)のサイトでは、
より健康的な食生活を推進するために、各自が食べたものを入力することで、
食生活のグラフがつくれる“My Pyramid”や、生産者の訪問や、学校給食事情を取材したり、
Halloween や Thanksgiving などの行事別に、よく食べる食材についての安全性を解説する番組が
すべて、Pod Cast で見られたりする。
どれもすばらしい取り組みだが、問題は中低所得者層の人々が、
そういった情報をインターネットから気軽に得られる環境にないということだ。


例えば、私が愛用しているスーパーでは、
オーガニックのセロリ(約450g)がひとつ$1.05。
オーガニックのにんじん(約900g)が一袋$1.29。
オーガニックのホワイトマッシュルーム(約230g)が$1.75。
日本のオーガニックの野菜と比べれば数段安いが、
$4あれば、マクドナルドでバリューセットが食べられる。
家族全員のお腹を満たすためには、お手軽なジャンクフードで済ませるのも無理はない。


でも、こう考えてみたらどうだろう。
新鮮でできるだけ身体によい野菜や卵、肉、魚、パンを一週間分買うとする。
うちの場合、概算で一日あたり$10〜$12くらいだ。
あとは調理法や手間を考えなくてはいけないけど、
この金額に収まるのなら、少々高くついても安心な食材の方がいいと思ってしまう。
でも、一日の平均食費$7から$3オーバーしてしまうことが、
明日に響く生活状況だとしたら、$1の差はとても大きいし、それも十分に理解できる。
働かないと食べられなくて、料理をする時間もないのかもしれない。
でもどんなに小さなことからでもいいから、食材のバランスや栄養を考えて、
ジャンクフードに手を伸ばさないだけで、体型だけでなく精神性も変わると思う。
ニューヨークやカリフォルニアなどでは、スーパーなどに生産者や栄養士などを招いて、
中低所得者層向けの食育プログラムを行なう機会も増えているようだ。


食べるものにこだわって食にお金をかけられるひとと、かけられないひと。
ひとは見かけによらないと言うが、見かけがそのひとの考え方から培われるのなら、
容姿は、その人となりを知るうえで最初の大切な入口になるのかもしれない。

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2008年12月 1日 (月)

Thanksgiving Day と Black Friday

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11月の第四木曜日は Thanksgiving Day と呼ばれる感謝祭のため全米が祝日。
神の恵みに感謝をして、家族や友人と共に食卓を囲む風習だ。
幸い、天候にも恵まれ、すがすがしいキーンとした冬の空気。
その日は街中が休み。車通りも少ないし、交通機関以外はほとんど停止していた。
私たちは、その日の午後に車を見に行く約束があったので、
ダウンタウンでバスを乗り換えようと思って出かけたが、まるでゴーストタウン。
街で見かけたのは、寒そうに身体を膨らませている雀や鳩と、ホームレスの人々くらい…。
Thanksgiving の朝に外出するひとなんていないんだ…と知った。
セントポールまでは少し距離があるのと、あまりの寒さで、
トイレに行っておこうと探したが、お店がやっていないのでトイレにも行けない。
都会の真ん中で、まさかトイレに不自由するとは思ってもみなかった。


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夜は友人宅におよばれして、Thanksgiving 恒例のターキー(七面鳥)をいただいた。
まるごと焼かれたターキーに、グレービーソースとクランベリーソースをかけていただく。
元々ターキーは嫌いじゃなかったけど、グレービーとクランベリーとの相性もよく、
予想以上に感動するおいしさだった。


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アメリカ人にとっては季節がやってくると食べたくなる恋しい味で、
パンプキンパイとセットで必ず食べたくなる味らしい。
日本人にとってのお雑煮みたいなものだろうか。それとも、おでんかな?


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*Thanksgiving の日の夕暮れ。空気が澄んで辺りは静かで空が薄紫色でキレイだったので。


翌日の金曜日は、全米をあげて大セールの日。
その日の売上は必ず黒字に転じるので“Black Friday ”と呼ぶそうだ。
その大セール、なんと朝の4時や5時からスタートする。
外はまだ真っ暗だし、ミネソタに至っては零下にも関わらず、お客さんは並ぶらしい。
そんな経験も滅多にないからと早起きをしようと思ったが…、やはり無理だった。
遅れをとったが、10時くらいには出かけてみた。
バスで30分ほど南西に行った Southdale Shopping Center というところに行ってみた。
お洋服屋さんもたくさん入っているし、Apple Store もあるので、
お目当ての最新 iPod nano が安くなっていたら買いたかったのだ。
そして…、それらはそこにあった。


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満を持して、買ってしまった。
実は、デジタルオーディオプレーヤーを夫に買ってもらったのは二度目。
一度目は誕生日プレゼントにもらった、i river。
当時最大容量の5GBで、カラー液晶を誇るデジタルオーディオプレーヤーだったけれど、
途中で巻き戻しを止めるプロセスがとても繊細で、
もう一度聞き直そうと巻き戻してちょっと指がすべると、最初まで巻き戻ってしまう。
そのあと元のところまで永遠に指で押さえ続けないと進まない。
決定的だったのは、私のラップトップ(Mac)と互換性がないことだった。
(*それ以降の機種は互換性があるものもある。)
そんなわけで、日の目を見ないままになってしまって心苦しくもあり、
新しいものに踏み切る勇気もなく、ずっと音楽を持ち歩くのは諦めていた。
個人的には、同じ nano なら、第三世代のデザインの方が好きだった。
ずんぐりむっくりな方が好きなので、いまだに classic は魅力的。
でも、第四世代を持ってみたら本当に軽いし、薄いし、価格とのバランスもいい。
意外とデザインもスマートで、欲しかった黒が最後の一個だったのでお買い上げ。


なんと強気の Apple Store が、この日限定で全商品すべて値下げ。
iPod nano の8GBは、$149が$138になっていた。
でも、念のため近くの家電量販店、BEST BUY も覗いてみることに。
するとこちらもセール中で nano を1台買うと、$20のギフトカードがついてくるとある。
ちょうどプリンターを買おうと思っていたところだったので、
2台買えば、安いプリンターが買えるというわけだ。そして…、


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これも、ついてきた。
まだシールも剥がしてないけど、残り9か月しか使わないし、
プリンター、スキャン、コピーの最低限欲しかった機能は付いている。
このほかに、500枚入りの用紙も手に入った。


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帰り道、ダウンタウンのメインストリートである Nicollet Mall をパレードが通っていた。
なんと、Thanksgiving から Christmas までの毎週木曜日から日曜日まで、
車の通行を止めて、電飾を巻き付けた車や人が踊りながらパレードをする。
寒さにも負けず、道ばたにはひしめくように人が密集し、
寒さに負けた人は、ビルとビルを2F部分で繋ぐスカイウェイと呼ばれる
ガラスの通路から眺めていた。
まさに、身も心も踊るような Black Friday だった。


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