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2009年2月 9日 (月)

シアターデビュー

3
*舞台のクライマックスに、出演者とローカル聖歌隊が挨拶をするシーン。


1月の29日(木)〜31日(土)の3日間、
私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で行なわれた、
Young Jean Lee's Theater Company
によるパフォーミングアーツ 『 CHURCH 』 に、
ローカルの聖歌隊のひとりとして、作品に参加させていただいた。


きっかけは、私が同美術館のボランティアに登録しているから。
アーティスティックディレクターとして脚本と演出を手がける Young Jean は、
作品のクライマックスにアカペラで聖歌隊を入れるため、
この Twin Cities から聖歌隊として参加してくれるボランティアを募った。
誘いのメイルを受けとった私は、相当に悩んだ。
歌は小さい頃から好きなのに、大人になるにつれ人前で歌うことが恥ずかしくなり、
今ではカラオケもままならないほど。
でも心の底には歌が好きという気持ちが残っていて、
東京でも何度か歌を習いに行こうと試みながらも、
忙しさにかまけてなかなか実現できないままだった。
しかし、懸念材料は山積み。
英語の歌を覚えられるのか…、しかも4時間のリハーサルが2日しかない。
しかも、公演は3夜連続。いや、そもそも恥ずかしい!!!
でも、興味があってこちらでできることはすべてやっていくという、
自らが打ち立てた誓いに従い、旅の恥は書き捨てというけれど、知り合いもそういないわけだし、
一か八か、無理だったら辞めればいいという思いで、やってみることにした。


4
*曲の最後のみんながはじけるシーン。


そこで、はたまた痛感させられることとなるアメリカと日本の教育の違い。
歌は上手い下手ではなく楽しむことだって、みんな知っている。
歌詞を間違えずに音程をとるのに必死で、笑って歌う余裕がない私とは大違い。
曲の最後は「踊ってはじけて」と言われ、大開放のアメリカ人と、
まだまだ恥ずかしくて萎縮してしまう、日本人の私…。
痩せていても太っていても、背が高くても小さくても関係ない。
それらのすべては個性であり、個人が輝ける源(みなもと)。
小さい頃から表現力を伸ばす教育を受けているアメリカ人と比べ、
出る杭は打たれる教育で育つ日本人とは雲泥の差。
もちろん、日本人がもつ謙虚さも大切なことだと思うけれど、
自分自身を表現する力と謙虚さは、同居できないことではないとも思う。


2
*控え室で聖歌隊のメンバーと一緒に。


背が小さいひとは前と言われて、うっかり最前列になってしまうし、
いっぱい緊張もしたけれど、歌を歌うことはやっぱり気持ちよくて、
みんなと調和できることが最高に愉しかった。
3日しかない公演だったのに、初日の興奮と、中日の一瞬の気のゆるみと、楽日の高揚感を
一丁前に感じ、舞台芸術はひとつとして同じものを観られないという生の良さがあるけれど、
ひと月も同じ演目を、しかも一日に二回の公演をこなす役者さんたちの努力は、
並大抵のものではないと、恐れながら痛感した。
慣れるまでの緊張感と、慣れた頃に出る気のゆるみ、フィニッシュまでの高揚感を、
ある一定の温度に保ち続けられることこそプロの仕事であり、
ド素人の私は同じテンションを保ち続けることができず一喜一憂してしまった。

6
*なんと、当日配布されたパンフレットにもクレジットされていて感動。


最高であって唯一の、かけがえのない思い出となった舞台出演。
WALKER ART CENTER に、Young Jean Lee's Theater Company に、
そして、私の迷いに理解を示し最後に背中を押してくれた夫に感謝したい。


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コメント

先輩貴重な体験したんですね!

迷ったあげく出演を決めたことに経験の尊さを感じます。

僕も先輩に負けず毎日を楽しみます!!

投稿: 宗兵 | 2009年2月10日 (火) 05時36分

うわ~、ame さんしっかり聖歌隊の一員になてますね!
写真でame さんを発見した時、「いたーっ」て感じでした。

私は8年とちょっとミネソタに住んでますが、友人知人を合わせてもシアターデビューを果たしたのは ame さんがはじめてです。スゴイ。やりたいことは全部やるを実行中の ame さん、次は何を計画中なのでしょう。アップデート、楽しみにしています!

投稿: kyoko | 2009年2月10日 (火) 21時13分

すごい素敵。
写真だけなのに、感動しちゃった。
よかったねぇ。

投稿: miki | 2009年2月11日 (水) 18時17分

写真に写っているameちゃんを見て、嬉しいと同時に吹き出しちゃった♪こんなことになってたなんて☆
歌を歌うの、小さい頃からの夢だもんね。今回ボランティアという形を通して1つの夢がアメリカにて実現したこと、本当に素晴らしいね!
歌ひとつにしても感じる日米の文化の差、教育の差、ameちゃんほんとにたくさんのことを吸収しに来たんだね。

投稿: nobu | 2009年2月11日 (水) 19時10分

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