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2009年2月

2009年2月10日 (火)

インクのついた指

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私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で、
毎月第一土曜日に入館料が無料になる FREE FIRST SATURDAY の、とあるワークショップ。
今回私が担当したのは「Inky Fingers(インクのついた指)」という、
何とも愛らしい名前のついた木版画ワークショップのアシスタント。


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*インクで汚れないためのエプロンも、積み重なるとひとつのアートピースみたい。


猫や木、魚、葡萄、象、靴などが彫られた木版に、
インクを混ぜ合わせて作った自分だけの色を塗って、紙に刷り上げる。
馬楝(ばれん)を使って手刷りの風合いを愉しむのもいいし、
手動の輪転機で刷り上がるのを心待ちにするのもいい。


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子供たちが選んだモチーフに何色をのせるか、
また、希望の色をつくるには、何色と何色のインクを混ぜればいいのか、
家族みんなで思案する。そんなプロセスもまた FREE FIRST SATURDAY で見られる、
幸せな光景のひとつだ。


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「次に象の版画があいたら教えて。私、象が刷りたいの。」
「僕が刷った木はすごく大きいから、DOUBLE TREE HOTEL(※1)っていう名前にしたんだ。」
※1:ミネアポリスにあるホテルの名前。
など、子供たちの発想はとても自由かつ具体的。
大人の私のほうが、あっけにとられてしまう。


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出来上がった作品は、壁に貼って乾かす。
乾くまで、違うアクティビティを訪ねたり、カフェで腹ごしらえをしたりと、
過ごし方はそれぞれ。土曜日に家族揃ってこんな愉しいワークショップに参加できたら、
子供にとってはとてもいい思い出になるはず。


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そして、使い終わった木版をすばやく布で吹き上げてテーブルに並べたり、
空いたスペースのインクを拭き取って、次の家族を迎え入れたり…。
大盛況だったこの日は、来場者がひっきりなしにやってきて、
スタッフは休む暇なく働いた。
そして、気づけば私たちスタッフの指もインクだらけだった。


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2009年2月 9日 (月)

シアターデビュー

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*舞台のクライマックスに、出演者とローカル聖歌隊が挨拶をするシーン。


1月の29日(木)〜31日(土)の3日間、
私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で行なわれた、
Young Jean Lee's Theater Company
によるパフォーミングアーツ 『 CHURCH 』 に、
ローカルの聖歌隊のひとりとして、作品に参加させていただいた。


きっかけは、私が同美術館のボランティアに登録しているから。
アーティスティックディレクターとして脚本と演出を手がける Young Jean は、
作品のクライマックスにアカペラで聖歌隊を入れるため、
この Twin Cities から聖歌隊として参加してくれるボランティアを募った。
誘いのメイルを受けとった私は、相当に悩んだ。
歌は小さい頃から好きなのに、大人になるにつれ人前で歌うことが恥ずかしくなり、
今ではカラオケもままならないほど。
でも心の底には歌が好きという気持ちが残っていて、
東京でも何度か歌を習いに行こうと試みながらも、
忙しさにかまけてなかなか実現できないままだった。
しかし、懸念材料は山積み。
英語の歌を覚えられるのか…、しかも4時間のリハーサルが2日しかない。
しかも、公演は3夜連続。いや、そもそも恥ずかしい!!!
でも、興味があってこちらでできることはすべてやっていくという、
自らが打ち立てた誓いに従い、旅の恥は書き捨てというけれど、知り合いもそういないわけだし、
一か八か、無理だったら辞めればいいという思いで、やってみることにした。


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*曲の最後のみんながはじけるシーン。


そこで、はたまた痛感させられることとなるアメリカと日本の教育の違い。
歌は上手い下手ではなく楽しむことだって、みんな知っている。
歌詞を間違えずに音程をとるのに必死で、笑って歌う余裕がない私とは大違い。
曲の最後は「踊ってはじけて」と言われ、大開放のアメリカ人と、
まだまだ恥ずかしくて萎縮してしまう、日本人の私…。
痩せていても太っていても、背が高くても小さくても関係ない。
それらのすべては個性であり、個人が輝ける源(みなもと)。
小さい頃から表現力を伸ばす教育を受けているアメリカ人と比べ、
出る杭は打たれる教育で育つ日本人とは雲泥の差。
もちろん、日本人がもつ謙虚さも大切なことだと思うけれど、
自分自身を表現する力と謙虚さは、同居できないことではないとも思う。


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*控え室で聖歌隊のメンバーと一緒に。


背が小さいひとは前と言われて、うっかり最前列になってしまうし、
いっぱい緊張もしたけれど、歌を歌うことはやっぱり気持ちよくて、
みんなと調和できることが最高に愉しかった。
3日しかない公演だったのに、初日の興奮と、中日の一瞬の気のゆるみと、楽日の高揚感を
一丁前に感じ、舞台芸術はひとつとして同じものを観られないという生の良さがあるけれど、
ひと月も同じ演目を、しかも一日に二回の公演をこなす役者さんたちの努力は、
並大抵のものではないと、恐れながら痛感した。
慣れるまでの緊張感と、慣れた頃に出る気のゆるみ、フィニッシュまでの高揚感を、
ある一定の温度に保ち続けられることこそプロの仕事であり、
ド素人の私は同じテンションを保ち続けることができず一喜一憂してしまった。

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*なんと、当日配布されたパンフレットにもクレジットされていて感動。


最高であって唯一の、かけがえのない思い出となった舞台出演。
WALKER ART CENTER に、Young Jean Lee's Theater Company に、
そして、私の迷いに理解を示し最後に背中を押してくれた夫に感謝したい。


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2009年2月 6日 (金)

雇用許可証

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*Employment Authorization Card(雇用許可証)が届いた手紙と封筒。


昨日、Employment Authorization Card(雇用許可証)が手元に届いた。
つまり、アメリカで働ける許可をもらえたということ。
そもそものきっかけは、運転免許証を取得する以前に遡る。
アメリカでは、お酒を買ったり飲んだりするのにも、
またお店などで特典を受けるプログラムに入会するのにも、
居住者であるという証明をする ID が必要。
ID として認められている主なアイテムには、State ID という州が発行する身分証明書か、
運転免許証などが挙げられるが、運転免許証は試験に合格しなくてはならず、
車も都合しなくてはならなかったし、時間がかかるので、
まずは State ID を取得しようと試みた。


ところが State ID を取得するには、Social Security Number(社会保障番号/以下、SSN)
と呼ばれる個人を特定するための番号が必要で、それがないとクレジットカードすら作れない。
夫のJ-1(研修者ビザ)では問題なく SSN が取得できたのだが、
私のJ-2(家族ビザ)では SSN がもらえなかった。
すると、U.S. Citizenship and Immigration Services (以下、USCIS)という機関で、
I-688B という書類で申請すれば SSN が取得できるとのこと。
ところが、USCIS に問い合わせると私のビザでは I-688B という書類ではなく、
I-765 という書類だと言われ、なんとその申請には$340もかかると言われた。
アメリカでは尋ねる先が変わると違うことを言われることはよくある。それにしても$340…。
9.11以来さらに厳しくなった State ID の発行。
簡単には許可が下りないような仕組みになっているのだが、申請料がそんなに高いなら、
本当にお金がなくて働かなくてはならないひとは申請すらままならない。
さらに新しい出来事が降って沸いた。I-765 の申請は働ける資格を得るものだった。
ただひとつ、J-1ビザホルダーの経済状況をサポートするという目的でなければ働ける
という条件があり、それは社会経験のためとか、見聞を広めるために旅行に行きたいから、
などの理由でも構わない。
そこで、本当に取得する必要があるのかを考えた。
確かにアメリカ社会を見ることができ、日本に経験として持ち帰れるのは願ってもないこと。
ただし、お金がかかるし、申請が通るのかもわからない…。
しかし、夫と相談して決めたことは、こちらに居る1年の間は、
自分たちが有意義だと思うことはすべてトライして帰ると決めたので、
前に進んでみることにした。


そんなわけで、昨年11月下旬に申請して、ほぼ2か月ちょっと経った先日、
ついに Employment Authorization Card(雇用許可証)が届いたというわけだ。
ちなみに、今後同じケースで申請するひとのために覚え書きとして書いておくと、
提出した書類は以下の通り。


・J-1 ホルダーの経済状況をサポートする目的ではないことを伝えるレター
・I-765 の労働許可証申請書
・Filing Fee $340のチェック
・30日以内に撮影した証明写真(2×2inch・正面向き)を2枚
(頭の天辺から顎まで1〜1・3/8inch/目から写真の底辺まで1・1/8〜1・3/8inch)
・J-2 ホルダー(私自身)のビザ(表面と裏面)のコピー
・J-2 ホルダーの I-94(表面と裏面)のコピー
・J-2 ホルダーの証明書 DS-2019 のコピー
・J-2 ホルダーのパスポートの写真面のコピー
・J-1 ホルダー(夫)のビザ(表面と裏面)のコピー
・J-1 ホルダーの I-94(表面と裏面)のコピー
・J-1 ホルダーの証明書 DS-2019 のコピー
・J-1 ホルダーのパスポートの写真面のコピー
・戸籍謄本のコピー(英訳付き)
・経済状況を証明する書面のコピー


滞在期間は残り半年ちょっと。
短期間で雇ってもらえるところがあるかわからないけど、
他のこともできるゆとりは欲しいので、仕事中心の生活になってしまわないようにしたい。
興味のあるアート&デザインやキッズ関係はボランティアで参加しているから、
食分野などからトライしてみようかと思っている。

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2009年2月 4日 (水)

もぐもぐ

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*焼きたての“パン・オ・ショコラ”。


もぐもぐ食いしん坊にはたまらない、こちらで出会ったおすすめ食材をふたつご紹介。

ひとつめは“パン・オ・ショコラ”。
アメリカでもパンはよく食べるけど、総体的にはヨーロッパの方がおいしいと思う。
時折「これはアタリ!」って思うこともあるけれど、
ヨーロッパで食べるパンはハズレることが少ない。
でも、これは大ヒット!だった。まるでフランスで出てくるような“パン・オ・ショコラ”。
一時発酵が済んだ状態で冷凍されたパン・オ・ショコラの原型たちを、
オーブンパンに並べて、一晩自然解凍+発酵させる。
あとは、翌朝オーブンで20分程度きつね色になるまで焼くだけ。
たったそれだけで、焼きたてのパン・オ・ショコラが食べられるという贅沢。


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*一晩かけて自然解凍+発酵させた状態。


ちなみに、このパン・オ・ショコラは、
カリフォルニア生まれのスーパーマーケット Trader Joe's で買える。
私は、クロワッサンでもパン・オ・ショコラでも、よく焼けている方が好きだ。
これは焼き加減も自分で調節できるから、好みに合わせて焼き上げることができて、
一層満足度が高い。玄人っぽく焼き上げるなら、焼く前に溶き卵をさっとひとはけ。
こんがり焼きたてパン・オ・ショコラには、濃いめのエスプレッソかカフェオレかな。


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*パン・オ・ショコラの外装パッケージ。

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*最初の状態は、箱の右にある写真のようなイメージ。


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ふたつめのおすすめは、卵を使わずコレステロールゼロの“ベジネーズ”。
本来マヨネーズは好きだけど、アメリカのマヨネーズはこってりしている割に、
味がイマイチで好きな方ではない。すると、ハワイに住んで4年の幼なじみが、
ソイマヨネーズがおいしい、と教えてくれた。


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このベジネーズの原材料は、キャノーラオイルと水、ブラウンライスシロップ、
アップルサイダービネガー、大豆プロテイン、シーソルト、マスタード粉、レモンジュース。
サンドウィッチを作るのにパンに塗ったり、ディップに使ったりするのだけど、
味も申し分なく、保存料も入っていないし、
使い勝手もよく、食べ心地もライトで、とても気に入っている。
近頃、卵を食べられない子供や大人も多いので、
こういうマヨネーズだけでなく、個人の特徴によって食材が選べる世の中が一般化されて、
誰もが気軽に手に入れられる場所が増え、きちんと個人で選択出来るようになるといい。


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2009年2月 2日 (月)

カラダにいい水の飲み方

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*エキサイトニュースより写真、一部記事抜粋。


「水は買って飲むもの」━と、その地位を不動のものにしたミネラルウォーター。
人間が生きるのに必要不可欠な要素である“水分”を補ってくれるわけだけど、
とある記事を読んでいたら、実は飲み方にはコツがあるらしく、
その時の体調や、改善したい問題点などに合わせて飲む水の種類や、
飲む時間帯、飲む量などをコントロールすると、それ相当の効果が得られるらしい。
思わずへぇーっと思ったので、ここに書き留めておくことにした。


そこにあった心動かされるポイントを幾つかあげてみると、
まず、人間の体内水分量は、赤ちゃんが約80%、成人は60%、老人は50%と言われるそうで、
年を重ねるにつれて水分をあまり摂らなくなるから体内水分量が少なくなるのか、
体内水分量が少なくて済むから水分を摂らなくなるのかは定かではないが、
いずれにせよ年齢とともに体内の水分量が減り、肌の細胞が乾燥してシワができるらしいのだ。
つまり「老化=体内の水分量が減ること」で、いつまでも若さを保ちたければ、
普段から積極的に水を飲むことが必要不可欠なんだそう。
なるほどー。赤ちゃんのぷくぷくつるつるお肌を形成する細胞たちは、
豊かな水分量によって保たれていたのか…確かに水分を多く摂れた日には、
幾分お肌の調子がいいかも…ふむふむ、と妙に関心した。


また、身体がむくんでいる時に「水を飲むとむくむ」というのは間違いだそう。
そもそも身体がむくむのは、体内が慢性的に水不足の状態に陥っているためで、
新陳代謝が悪くなって水分が排出されないので、老廃物がたまり、
パンパンにむくんでしまうのですって。
むしろ、水分をこまめに摂ってむくみを解消する以外に手だてはないのだ。
かといって、1度に大量の水を飲んでしまうと排泄が大量になり、
その際に大切なミネラル分も一緒に排泄されてしまうのでNG。
重要なのは、コップ1杯の冷えすぎていない水を自分のペースでゆっくり少しずつ飲むこと。
こまめに水分を摂取していると新陳代謝も活発になり、太りにくい体質になるのだとか。
なんとも耳寄りな話!


この他にも、肩こりには、血行を良くして代謝を促す硬水の炭酸水がおすすめとか、
二日酔いには、アセトアルデヒド追い出すために水分を多めに摂って体外に排出させるなど、
仕事で疲れた時、タバコを吸うひと、ダイエット中のひとなど、
シチュエーション別に水の摂取の仕方が勧めてあるので、
『カラダにいい水の飲み方』 に関するこちらの記事、ぜひご一読あれ。


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2009年2月 1日 (日)

キッズアクティビティ

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*『KIDS ON THE RADIO』にてラジオに生出演中の姉妹。


アパートの向かい側にある美術館、MINNEAPOLIS INSTITUTE OF ARTS で子供のためのイベントがあった。
元々、入館料が無料の同美術館で、隣接する夫の研修先、
THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY が共催しているとあって、
夫と私の大人ふたりだけど、覗いてみることにした。


アクティビティは7会場あって、常にどこかで何かが行なわれていて、
全部に参加できるよう、綿密にタイムスケジュールが組まれている。
ミラーボールが回る会場でDJが流す音に合わせて親子で踊れる『KID'S DISCO』。
FM89.3のDJを聴き手に、子供がラジオに生出演できる『KIDS ON THE RADIO』。
ライブ演奏に合わせて、子供も大人も歌って踊れる『LIVE PERFORMANCES』。
親子で参加できる『FAMILY YOGA』と、0-1歳の赤ちゃんが参加する『BABY YOGA』。
FM89.3のDJが物語の読み聞かせをしてくれる『STORY TIME WITH THE DJs』。
ローカルミュージシャンによる弾き語りの演奏と共に親子で歌を歌う『LIVE MUSIC』。
オーガニックスーパー Whole Foods Market の『SNACK BAR』では、
ジュースやシリアルバーが無料配布されていた。


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*ライオンの泣きまねなど、子供にもわかりやすいポーズでリードしていく『FAMILY YOGA』。


印象的だったのは、そこにいるすべての親子が愉しそうだったこと。
大人ふたり連れの私たちだったけど、ついニコニコしてしまうほど愉しかった。
そして、会場と会場を移動する経路は、広い美術館内を通ることになっていて、
子供たちが通って美術品に何かあるといけない、などという保守的な考えを越えて、
初めて来たひともそうでないひともアートに触れる機会になっていることが素晴らしい。
入口は引っ切りなしに訪れる家族と、満喫し終えて帰る家族とで、常時ごった返していた。


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ミュージシャンの誘いに子供たちが続々とステージに集まって踊る『LIVE PERFORMANCES』。


こうして幼少期から、人前で歌ったり、踊ったり、表現したりする教育方針は、
アメリカの個人主義(個性を尊重し、表現できる環境をつくる)を象徴する、
最たるものだと思った。だって、恥ずかしがる子供なんてひとりもいないのだ。
そもそも「恥ずかしい」という感情って、一体いつから生まれるのだろう。
私たちだって、子供の頃は自由に人前で表現できていたはずなのに。
完璧を追求しすぎるせいなのか。日本人は完璧主義の傾向にあるということなのか。
大人になってもまったく物怖じしないアメリカ人の国民性には圧倒されるし、
自分にはなかなかできない分、尊敬もする。
しかしながら、日本人が持ち合わせる奥ゆかしさもまた美徳だと思う。
両方をバランスよく使いこなせたらいいのに、なんて思ったり。

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