10日間
今日から3月。
日本ならうららかな春が待ち遠しい頃だけど、そうは問屋が卸さないのがミネソタ。
3月はまだまだ雪が降る季節。今日も窓からはあたたかな日差しが差し込んでいても、
外気は-16℃なのだから…恐ろしい。
実は2月の半ばから、非日常的な時間を過ごしていた。
というのも、東京からNYに仕事でやってきた仲間たちに会いに行っていたから。
しかも、仲間のうちのひとりは、長きに渡り一緒に仕事をしてきて、
私の結婚式ではスピーチもお願いしたゆりさんだったのだけど、
なんとNYに行く前にミネアポリスを訪ねてくれた。
私の友人では初めてのミネアポリスへの来客。
ついでがないとなかなか来る機会もない場所だし、
まさか本当に来てくれるなんて思ってもいなかったから、本当に嬉しかった。
ゆりさんの4日間の滞在中、夫の研修先 THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY の、
" ROMEO AND JULIET "が初日を迎えたので、ゆりさんにも観てもらった。
今回の作品は子供向けとはいえ、シェークスピアで台詞も難しいので13歳以上が対象。
観客席がなく空間全体が舞台になっていて、役者もセットも道具も観客も、
すべてが混同しながら物語が進んで行く、非常に画期的な演出方法。
(※ ROMEO AND JULIET をクリックして、右下の動画を参照。)
初日前夜には、初日祝いを兼ねて掘り出しもののワインを買い込み、
ちょっとしたディナーを作ることに。ゆりさんとレシピを考えて一緒にお料理をした。
心を込めて作る料理は、いつもと変わらない日を特別なものに変えてくれる。
この日のもうひとつの楽しみは、いよいよ公開が決まったゆりさんの映画を観ること。
本当は東京に帰ってからスクリーンで観ると決めていたのだけど、
公開までに帰国できないこと、またミネアポリスでの残りの半年を過ごす間に、
映画から考えることと、アメリカで私が感じていることをすりあわせられると思ったので、
ゆりさんとも相談して、結局見せてもらうことにした。
そして何より、ゆりさんがわざわざミネアポリスまで来てくれたという特別な状況で、
おいしいワインと食事を囲みながら、夫と3人でじっくりと観られたことは、
何よりもいまの私たちには意味があった。
ゆりさんが持てる力のすべてを最後の最後まで絞り出して、
大切なひとたちと大切なことをフィルムに収めた作品。
食べること、生きること、選ぶこと、愉しむこと、地球のこと、宇宙のこと。
今の時代を生きるすべてのひとに観てほしい。
映画 "eatrip"
2009年6月恵比寿ガーデンシネマほか全国劇場公開予定。
━━━
話を元に戻して、この日に飲んだ掘り出しもののワインというのはコレ。

ゆりさんがリカーショップで見つけた Francis Ford Coppola Presents の "DIRECTOR'S CUT" というワイン。
DIAMOND COLLECTION は日本でもよく見かけるけれど、DIRECTOR'S CUT は初めて見た。
思わずジャケ買いしてしまうほど印象に残る外装は、
フランシス・F・コッポラ監督の映画づくりとワインづくりに対する思いが込められている。
2006年にコッポラ監督がカリフォルニア州・ソノマに移り住んだことを記念して、
それまでにつくっていたワインとは一線を画し、
映画監督のヴィジョンを最も反映させた作品 " DIRECTOR'S CUT " から命名されたライン。
ラベルには、映画史へのオマージュとして、ブドウの品種別に異なるモチーフが施されている。
ワインメーカーとして、ワインの個性やその称号を素直に表現し、
さらにはワインづくりと映画づくりの両者において、
その智慧がアメリカの真の芸術として残るよう、
妥協のないスタンダードを目指すという誓いのもとにつくっているのだそうだ。
驚かされるのは、その特異な外装とストーリーだけじゃないところ。
中身を飲んだら、その装いをも忘れてしまうほど衝撃的においしい。
Chardonnay は、白ワインの爽やかさを残しながらも、
コクのある甘さとフレンチオークの余韻。
Zinfandel は、赤ワイン特有の渋みはあまりなく、ブラックベリーの香りとバニラの甘さに、
ピリッとスパイスを効かせた奥深さ。
共にクセのある味だから好き嫌いはあるかもしれないが、まさに質実伴った仕上がりだ。
ご興味のある方は、こちらのサイトでも購入できるようなので、ぜひお試しあれ。
ゆりさんのミネアポリス滞在最終日の夜は、現在 WALKER ART CENTER で行なわれている、
ELIZABETH PEYTON の " LIVE FOREVER " のオープニングパーティに出かけた。
同展は、このあとに出てくる2007年12月にオープンした、
NYの Bowery にある NEW MUSEUM の巡回展。
当日は全館をパーティのために開放し、美術館内のレストランとカフェをプロデュースしている、
WOLFGANG PUCK のケータリング。
久しぶりにパーティに出かけたけど、予想通り身の置き所がなくてソワソワしてしまう。
やっぱりもてなす側の方が性に合うと痛感。

*ガラス工場で出たガラスのくずを利用して作ったシャンデリアとミラーボウルの光。
━━━
14日の朝、ゆりさんと共に一路NYへ。
やっぱり、NYは好き。みるみる変わっていく部分とずっと変わらない部分が同居している。
アメリカの中では、一番多く行っている場所なのに、何度行っても掴みきれない。
ちっぽけな島なのに、とてつもなく大きく感じる街。
東京から来ていた仲間のほかに、メキシコやNY在住の友達も集合して大賑わい。
顔を合わせる面々は東京で会う仲間なのに、不思議とそこはNY。
でも全く違和感がない。
東京を発って半年しか経っていないのに、もう随分会っていない気がした。

*ベジタリアンレストラン、CANDLE CAFE。
NYで落ち合った仲間のひとり、いきちゃんの紹介で、
年に3か月、毎週月曜しかやっていないという、超レアなウッディ・アレンのジャズライブに出かけた。
会場はアッパーイーストにあるホテル THE CARLYLE の1階にある
こじんまりとしてクラシカルな CAFE CARLYLE 。
マネジャーもギャルソンもバーテンダーも、ほとんどが高齢のおじいちゃまたち。
テーブル席は予約でいっぱいだったので、バーカウンター前のスタンディングだったけれど、
演奏と雰囲気を愉しむには十分。その中央でウッディ・アレンがクラリネットを吹いている。
仲間とのセッションを愉しみながらも、自分の出番が終わるとうつむいたまま。
その姿が失礼ながら、あまりにもかわいらしくて、
ギャルソンのおじいちゃまたちが醸し出す雰囲気と相まって、おとぎの国にタイムスリップした感じ。
動画撮影禁止のはずだけど、なぜか You Tube にアップされていたので ☞ 。

*なかなか予約がとれないというレストラン BALTHAZAR で朝食。

*ランチやおやつを買いにくる人があとをたたない Olive's 。

*どこから撮ってもフォトジェニックな GUGGENHEIM MUSEUM 。

*予約は6名から、かつ予約困難な FREEMANS 。
ホットアーティチョークのディップが絶品。

*SANAA が建築を手がけた NEW MUSEUM 。

*NYに近日オープンする ACE HOTEL NEW YORK の
特注アメニティとディテールにこだわったシャワーの蛇口。

*壁には各部屋ごとにディレクションされたアートピースが飾られている。
こんな感じで、全力疾走で駆け抜けた10日間。
ミネアポリスで培ってきた日常に、ふっと新しい風が舞い込んだ。
夫にはしばし不便をかけてしまったけれど、そこから得た有り難い気づきも多く、
また改めてミネアポリスの日常にも感謝する、意味深い10日間だった。
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コメント
みんな楽しんでるのかなぁ、と空想していた10日間でした。
やっぱり刺激的で、心温まる、素敵な10日間だったのね。
雨ちゃんにとっても、ゆりさんにとっても、
「絆」について考えるときだったから、仲間たちと
非日常の空間で過ごすことは、とても意味があったと思う。
そして、これからの人生で、自分の役割は何なのか、
そんなことの答えの一端を、心は掴んだんじゃないかな。
ウディ・アレン好きの私には、たまらないおまけ付の日記
ありがとう!
投稿: miki | 2009年3月 2日 (月) 18時53分
はじめまして。突然のコメント失礼いたします。
私は夫と二人で東京に住んでいます。
偶然こちらのブログを目にする機会があり、楽しく拝見させていただいています。とてもすがすがしい文章で、日々大切に過ごされている様子が伝わってきて思わずメールさせていただきました。
悩みや問題なんて、過ぎてしまえば思い出だと分かってはいても、ちょっと立ち止まってしまっていた私は、不思議なものですがふと目にしたブログに背中を押されたのです。生き生きとして希望あふれる生活の記録に、私もこうありたいと思いました。びっくりですよね?急にこんなメールがきても、、。私としても驚きなんです。何しろ[人生初のブログにコメント」です。
驚かれたり、不快に思われたらごめんなさい。これからも、遠い空の下で日々のご活躍楽しみにしています。
投稿: mayu | 2009年3月 5日 (木) 23時35分
雨ちゃん
ヽ(´▽`)/
メールをなかなか書く時間がなくてそうこうしているうちにブログがアップデートされたからコメントしちゃいまーす。なんだか濃密な10日間だったようで羨ましい!Romeo&Julietの文字、、どんなレシピ??美味しいワインにぴったりとくるご馳走だったに違いない。
いいなーミネアポリス行きたいどーーーー。
東京中目黒にて。
投稿: tama | 2009年3月 9日 (月) 00時26分