art & culture

2009年6月 5日 (金)

食べるということこそ、生きること 人生とは食べる旅

2


フードディレクターとして、雑誌やテレビ、ラジオ、パーティケータリングなどで、
食にまつわる空間を創り続けて来た野村友里さん。
以前、ゆりさんが映画を撮ったことについて触れたけど(映画を撮るということ10日間
そんなゆりさんが初監督をした映画『 eatrip 』が、
ついに明日、2009年6月6日(土)〜26日(金)恵比寿ガーデンシネマにて公開になる。


初日の舞台挨拶にはゆりさんのほかに、
出演者である UA さんと浅野忠信さんも登壇するそうだ。
あいにく舞台挨拶の回はすでに全席完売だそうだが、
連日に渡って個性豊かなゲストをお迎えする「トークショー」や、
なかなか映画館に足を運ぶことが難しいお子様連れの方のために「ママのための上映会」、
また「英語字幕付きの上映会」では、外国人の方も映画館で新作の邦画が観られるなど、
かゆいところにも手が届く、多彩な取り組みが目白押し。
まさに、映画『 eatrip 』強化月間だ。
(イベントの詳細についてはコチラ


本当なら私も初日から駆けつけたいところだが、
あいにくそれは適わないので、日本に帰国したらぜひスクリーンで観たい。
ちなみに明後日、6月7日(日)7:00〜7:30AMのフジテレビ『ボクらの時代』に、
ゆりさん、UA さん、内田也哉子さんの3人が出演するそうなのでそちらもお見逃しなく。
あわせて、映画のオフィシャルサイトもとてもよくできているので、
まだご覧になっていない方はぜひコチラへ☟
映画『 eatrip 』オフィシャルサイト

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月22日 (水)

たんじょうび

12


実に3週間ぶりの更新。
3週間ぶりって……と自分でも思うけど、今月はなんだか慌ただしい。
私をよく知るひとは「いつものことでしょ」と思うだろうけど、
何で慌ただしいかは、また追ってご報告することにする。


というわけで、とりあえず2週間前のことから。
おかげさまで、私も35回目の誕生日を迎えた。
こうしてアメリカで迎えることになるとは、つい5年前には思ってもみなかった。
毎年変わらず健やかに誕生日を迎えられる幸せに、心から感謝したい。


1


誕生日の当日は、夫がディナーに連れて行ってくれた。
ミネアポリスで最も有名な劇場 GUTHRIE THEATER の1Fにあるレストラン Cue へ。
海のない内陸にあるミネソタでは、お肉と較べて魚介類が高い上に鮮度は低い。
だから外食する時にシーフードを食べることにしている。


2
*ムール貝とハーブの白ワイン蒸し


3
*ロブスターと真イカのグリル


ワインのメニューリストを開いたら、
なんとアペリティフの欄に、日本の発砲にごり酒があった。
にごり酒を食前酒に飲むなんて、アメリカ人はわかってないよねなどと話しつつも、
気になって頼んでみたら、意外にも軽くてすっきりとした甘さ。
しかも微発砲で、その泡の微細具合がいかにも日本人の仕事らしい。
これをアペリティフに持って来た、このレストランのソムリエはあっぱれだ。


━━━━━


8


すっかりいい気分で、次に出かけた先はメジャーリーグ観戦。
ミネアポリスには、ミネソタツインズというチームがあって、
地元の人は一人残らず応援している。
Hubert H. Humphrey Metrodome は、その拠点でもあり、大きさは多分東京ドームと同じくらいだと思う。


4
*どこの国にもいるダフ屋のみなさん。


この日は、シアトルマリナーズとの試合だったので、
WBC 終わりのイチロー選手や城島選手が観られると愉しみにしていた。
ところが、その日はイチロー選手には珍しい、まさかの故障者リスト入り…。
WBC の疲労は半端なものじゃなかったようだ。
とても愉しみにしていたけど、WBC で素晴らしいゲームを披露してくれたイチロー選手には、
ゆっくり休んでもらいたかったので、その日はよしとすることに。
久しぶりの野球観戦だったけど、ドームにはやはり特有の空気があって、
これといって野球好きでもないけれど興奮する。
席に座ると、後ろから名前を呼ばれたので振り返ってみたら、
なんとビッグサプライズ!お友達のまさこさんファミリーがいらしていた。
まさこさんは二児の母でありながら、とてもスマートに催しごとをアレンジしてくれる。
女性像として、私が尊敬する方のひとり。
しばしの帰省からお父さまと一緒にミネソタに戻っていらしたそうで、
偶然の再会に、一層興奮も高まる。


5
*左から、まさこさんのお父さま、長男のカイちゃん、まさこさん。
 中央上、次男のケンちゃん。抱いているのはダンナサマだけど腕のみのご出演。


6
*右端、この日1本もヒットが出ず、うつむいてベンチに戻る背番号2番、城島選手。


9
*一緒に観戦に行った友人たち。左から、夫、友人のありうみさん、ジム、ゆりかさん。


日本では3塁側にホームのチームを応援するファンが座り、
1塁側にアウェイのチームを応援するファンが座るけど、
アメリカはあまりに広いため、敵陣に乗り込んでくるファンがあまり多くない。
よって、マリナーズ側の1塁上のスタンドもツインズファンで埋め尽くされている。
終始押され気味だったツインズにこの日は観客も見かぎり、
8回くらいから渋滞を避けるために、ぽろぽろと帰り始めるひとがいた。
しかし!その後、2点ビハインドで迎えた9回裏2アウト満塁という場面で、
ツインズの2番バッターがヒットをたたき出し、サヨナラ勝ち!


10


ファンは大盛り上がり♪私たちも乗っかって大盛り上がり♪
「昨日の試合観た?」と挨拶代わりに語られるほど、ファンにとっては嬉しい快挙だったらしい。
こちらに居る間に一度は観てみたかったメジャーリーグ観戦。
その後は、友人たちとダウンタウンのバーで勝利の祝杯をあげつつ、誕生日を祝ってもらった。
試合内容も充実していたし、嬉しい出会いもあり、とても愉しい誕生日だった。


11


━━━━━


日本とミネソタの友人たちから誕生日プレゼントもたくさんいただいた。
送料も高くつくのにわざわざ日本から贈り物をしてくれた友人や、
カードやメイルを送ってくれた友人たち、本当にありがとう。
そして知り合って間もない私の誕生日を祝ってくれる
ミネソタの友人たちの気持ちは、本当に嬉しかった。


15
*左は、アルファベット順に動物が紹介されている『アルファペット』。
 右は、お仕事でご一緒させていただいたことのある亡き河合隼雄氏の著書『神話の心理学』。


大の本好きで、私が姉のように慕うみきさんから届いたたくさんの本と雑誌たち。
中でも『アルファペット』は、みきさんの後輩の方がつくられた本だそうで、
アルファベット順に動物の英語名を紹介し、そのアルファベット型の動物が、
はさみとのりを使わずにつくれるという、とてもよくできた本。
『神話の心理学』は、読んでみたかった本なのですごく愉しみだ。


16
*前出左の『アルファペット』の中身。


17
*左から、『スーパーマーケットマニア・アメリカ編』、『ポストオフィスマニュアル』、
『「月夜」の楽しみ方24』。


出版社に勤める高校時代からの友人、みゆからの贈り物は上記の3冊。
私の好きそうなものを選んで買ってくれたという友人の観点が、また新鮮で嬉しい。
『スーパーマーケットマニア・アメリカ編』は、私が好きなNYの食料品店 ZABARS が大特集されているし、
『ポストオフィスマニュアル』は、その国らしさは郵便局に表れるという興味深い視点で、
世界中のポストオフィスを紹介してあり、私が二十歳の頃に住んだスイスも載っている。
『「月夜」の楽しみ方24』は、文字通り24項目に分けて楽しみ方が記されていて、
秋の夜長に読みたい一冊だ。


18
*人生初、自分の聖書。


コバルトブルーの表紙が目に鮮やかな聖書。
ミネソタで私が母のように慕うひとみさんと、昔からの友人のように仲の良いゆりかさんから。
私がたくさんのことを経験させていただいているのは、おふたりのおかげ。
聖書は「人生のマニュアル」と言われ、人生に起こりうるすべてのことが書かれているそうだ。
アメリカを知るには、「キリスト教」を学ばなくてはと痛感し、
今年の始めから、英語の勉強も兼ねてバイブルスタディに通っている。
とはいえ、この世で起きる事象はすべて神が創ったものだと信じるには、
あまりに私の中で消化しきれない疑問が多すぎて難しいけれど、
キリスト教の真理を知ることで、アメリカにもたらされる現象が理解しやすいのは事実。
紀元前1400年から1500年間に渡って書かれ、
この数千年もの間、変わらずに受け継がれている一冊の読み物があると思うと、
それなりの説得力がある。どれだけかかるかわからないけれど、
読んでみようと思う時に気ままに読んでみるつもりだ。


19
Cuisinart のミニフードプロセッサー。


最後に、兼ねてから私が欲しいと思っていたフードプロセッサー!
これは、私のヨガの先生でもあり、たくさんの価値観を共有している大切なお友達のちかさんから。
アメリカに来て、何でもゼロからつくる奥様が多いことに驚いた。
日本で手みやげというとお気に入りのお店で買って行くことが多いけど、
こちらではパンもお菓子もお料理もみんな手づくりで、さっと作って持って行く。
外で買うものになかなか満足のいくものがないから、自分で作るようになるのだとか。
そんな影響で、日本にいる時から欲しかった、ル・クルーゼの鍋と圧力鍋に加え、
フードプロセッサーもパン焼き器も欲しいと思っていた。
特にフードプロセッサーは周りにいる料理のプロたちはよく使いこなしているけど、
ごくごく一般的なレベルの私みたいな主婦が持っていても、宝のもちぐされだと思っていた。
しかも、日本とアメリカでは電圧が違うので、買うのも躊躇していたところ、
突然いただいた袋を開けたら、フードプロセッサーがいた!!!
しかも、誕生日だなんて言ってなかったのに…。一生大切に使わせていただく。


そんなわけで、家族を始め、友人たちに本当に感謝。
みなさんのおかげで、今の私がある。
こうして私も、35歳になった。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年4月 1日 (水)

賢いJazz

1


ある音楽家一家のお誘いで、セントポールにある Jazz Club に連れて行っていただいた。
個人的には音楽は好きなほうだが、特にジャンルにはこだわらず、
いいと思うものは何でも聴くようにしている。
基本的には断然ライブ派だが、アメリカに来てからというもの、
家ではほとんどテレビを観ないし、車をよく運転するので、
イヤホンを通さずに音楽を聴く機会が格段に増えた。
聴く媒体は、iTunes と iPod にお世話になるか、
一日中いい雰囲気の JAZZ が流れている JAZZ 88 FM


今回行った Jazz Club は、The Artists' Quarter といって、
1920年に建てられた歴史あるビル Hamm Building の地下にある。
ビルのエントランスには飾り天井が見事なエレベーターホールがあり、
昔気質でクラシカルな内装の床屋さんや、味にも定評があるビストロが入っていたりする。


The Artists' Quarter は、現役のミュージシャンたちによって運営されている JAZZ Club で、
様々なアーティストが日替わりでライブを行なう。
カバーチャージは無料のものもあるが、大抵$5〜$10ととてもリーズナブル。
この料金で本格的なジャズが生で聴けるのだからアーティストに申し訳ないくらいだ。


この夜に演奏したアーティストは“PETE WHITMAN'S X-TET”。
4人で演奏するのがQuartet(カルテット)だから、X-tetは10人で編成されている。
日中は音大の教授やプライベートレッスンの講師など職業は様々だが、
月に一度みんなが集まり演奏するという貴重な機会。
この大人たちが、ほんとうに格好よかった。
容姿は統一感がなく、Tシャツにジーンズの人もいれば、ドレスアップした人もいるし、
白髪のベテランもいれば、モヒカンにシャツをビシッと着た若手もいる。
一見自由な雰囲気を醸し出す彼らの演奏を聴いて行くうちに、
気ままに音を奏でているのではないことが、素人の私でもわかる。
一緒に連れて行ってくれた家族の、音大に通っているお嬢さんがこう言った。
「彼らの Jazz は、賢い Jazz なんです。」と。


なるほど。一心不乱にリズムを刻みだすドラマーも、
片手に2本、計4本のスティックを自在に操るビブラフォン奏者も、
歌うように吹きあげるトランぺッターも、みんなお互いのスキルを信頼し切っている。
Jazz は、その場のセッションから生まれるグルーブ感を愉しめる音楽だが、
彼らの演奏は、その場の空気や互いの音を愉しみつつも、
すべて計算し尽くされた緻密さを感じさせる。
野球のバッテリーのように、指のサインやアイコンタクトで、
見事なまでに10人の音が合わさり、紡ぎだされていく。
「音楽って、愉しい。」
そう思わせてくれるライブだった。


ミネソタには、ローカルな人々によるローカルな文化が根付いている。
地元企業や個人投資家による文化施設への出資、地元アーティストの支援、
美術館や劇場への子供無料招待や出張授業などの地域活動、食分野では地産地消、
そして、音楽も決して例外ではない。
ミネソタオーケストラも全米ではかなりレベルの高い交響楽団だが、
名声や権威を求めて海外公演に同じ予算をかけるなら、
それらを地域活動に活かそうという考え方なのだそうだ。つまり優先順位が違う。
それは内陸にあるという地域性も多いに関係しているとも思う。


一方で東京は、大なり小なり、歴史あるものから前衛的なものまで、
ありとあらゆる作品が世界各国から集まり、ある意味でカルチャーも飽和状態にある。
世界的に有名な美術館の展覧会が来ると連日長蛇の列ができるけど、
一体どれだけのひとがその本質的な価値を知っているのかはわからない。
アメリカよりずっと古い昔から独自の文化を持ちながらも、
国内外を含む幾多の作品から、観客が観たいものを選べる環境にある東京と、
将来を見据えて地域に投資し、それらが実り育まれて来たミネソタ。
そこに触れる観客の目や耳や感覚は、それぞれにどう研ぎ澄まされていくのか。
気になるところだ。


| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年3月 1日 (日)

10日間

12


今日から3月。
日本ならうららかな春が待ち遠しい頃だけど、そうは問屋が卸さないのがミネソタ。
3月はまだまだ雪が降る季節。今日も窓からはあたたかな日差しが差し込んでいても、
外気は-16℃なのだから…恐ろしい。


実は2月の半ばから、非日常的な時間を過ごしていた。
というのも、東京からNYに仕事でやってきた仲間たちに会いに行っていたから。
しかも、仲間のうちのひとりは、長きに渡り一緒に仕事をしてきて、
私の結婚式ではスピーチもお願いしたゆりさんだったのだけど、
なんとNYに行く前にミネアポリスを訪ねてくれた。
私の友人では初めてのミネアポリスへの来客。
ついでがないとなかなか来る機会もない場所だし、
まさか本当に来てくれるなんて思ってもいなかったから、本当に嬉しかった。
ゆりさんの4日間の滞在中、夫の研修先 THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY の、
" ROMEO AND JULIET "が初日を迎えたので、ゆりさんにも観てもらった。
今回の作品は子供向けとはいえ、シェークスピアで台詞も難しいので13歳以上が対象。
観客席がなく空間全体が舞台になっていて、役者もセットも道具も観客も、
すべてが混同しながら物語が進んで行く、非常に画期的な演出方法。
(※ ROMEO AND JULIET をクリックして、右下の動画を参照。)


1


初日前夜には、初日祝いを兼ねて掘り出しもののワインを買い込み、
ちょっとしたディナーを作ることに。ゆりさんとレシピを考えて一緒にお料理をした。


2


3


心を込めて作る料理は、いつもと変わらない日を特別なものに変えてくれる。
この日のもうひとつの楽しみは、いよいよ公開が決まったゆりさんの映画を観ること。
本当は東京に帰ってからスクリーンで観ると決めていたのだけど、
公開までに帰国できないこと、またミネアポリスでの残りの半年を過ごす間に、
映画から考えることと、アメリカで私が感じていることをすりあわせられると思ったので、
ゆりさんとも相談して、結局見せてもらうことにした。
そして何より、ゆりさんがわざわざミネアポリスまで来てくれたという特別な状況で、
おいしいワインと食事を囲みながら、夫と3人でじっくりと観られたことは、
何よりもいまの私たちには意味があった。
ゆりさんが持てる力のすべてを最後の最後まで絞り出して、
大切なひとたちと大切なことをフィルムに収めた作品。
食べること、生きること、選ぶこと、愉しむこと、地球のこと、宇宙のこと。
今の時代を生きるすべてのひとに観てほしい。

映画 "eatrip"
2009年6月恵比寿ガーデンシネマほか全国劇場公開予定。

━━━

話を元に戻して、この日に飲んだ掘り出しもののワインというのはコレ。


4_2


ゆりさんがリカーショップで見つけた Francis Ford Coppola Presents の "DIRECTOR'S CUT" というワイン。
DIAMOND COLLECTION は日本でもよく見かけるけれど、DIRECTOR'S CUT は初めて見た。
思わずジャケ買いしてしまうほど印象に残る外装は、
フランシス・F・コッポラ監督の映画づくりとワインづくりに対する思いが込められている。
2006年にコッポラ監督がカリフォルニア州・ソノマに移り住んだことを記念して、
それまでにつくっていたワインとは一線を画し、
映画監督のヴィジョンを最も反映させた作品 " DIRECTOR'S CUT " から命名されたライン。
ラベルには、映画史へのオマージュとして、ブドウの品種別に異なるモチーフが施されている。
ワインメーカーとして、ワインの個性やその称号を素直に表現し、
さらにはワインづくりと映画づくりの両者において、
その智慧がアメリカの真の芸術として残るよう、
妥協のないスタンダードを目指すという誓いのもとにつくっているのだそうだ。


5


驚かされるのは、その特異な外装とストーリーだけじゃないところ。
中身を飲んだら、その装いをも忘れてしまうほど衝撃的においしい。
Chardonnay は、白ワインの爽やかさを残しながらも、
コクのある甘さとフレンチオークの余韻。
Zinfandel は、赤ワイン特有の渋みはあまりなく、ブラックベリーの香りとバニラの甘さに、
ピリッとスパイスを効かせた奥深さ。
共にクセのある味だから好き嫌いはあるかもしれないが、まさに質実伴った仕上がりだ。
ご興味のある方は、こちらのサイトでも購入できるようなので、ぜひお試しあれ。


6
*ミシシッピ川上空に降りた天使の梯子。


ゆりさんのミネアポリス滞在最終日の夜は、現在 WALKER ART CENTER で行なわれている、
ELIZABETH PEYTON の " LIVE FOREVER " のオープニングパーティに出かけた。
同展は、このあとに出てくる2007年12月にオープンした、
NYの Bowery にある NEW MUSEUM の巡回展。
当日は全館をパーティのために開放し、美術館内のレストランとカフェをプロデュースしている、
WOLFGANG PUCK のケータリング。
久しぶりにパーティに出かけたけど、予想通り身の置き所がなくてソワソワしてしまう。
やっぱりもてなす側の方が性に合うと痛感。


7
*ガラス工場で出たガラスのくずを利用して作ったシャンデリアとミラーボウルの光。

━━━

14日の朝、ゆりさんと共に一路NYへ。
やっぱり、NYは好き。みるみる変わっていく部分とずっと変わらない部分が同居している。
アメリカの中では、一番多く行っている場所なのに、何度行っても掴みきれない。
ちっぽけな島なのに、とてつもなく大きく感じる街。

東京から来ていた仲間のほかに、メキシコやNY在住の友達も集合して大賑わい。
顔を合わせる面々は東京で会う仲間なのに、不思議とそこはNY。
でも全く違和感がない。
東京を発って半年しか経っていないのに、もう随分会っていない気がした。


8
*ベジタリアンレストラン、CANDLE CAFE


NYで落ち合った仲間のひとり、いきちゃんの紹介で、
年に3か月、毎週月曜しかやっていないという、超レアなウッディ・アレンのジャズライブに出かけた。
会場はアッパーイーストにあるホテル THE CARLYLE の1階にある
こじんまりとしてクラシカルな CAFE CARLYLE
マネジャーもギャルソンもバーテンダーも、ほとんどが高齢のおじいちゃまたち。


9


テーブル席は予約でいっぱいだったので、バーカウンター前のスタンディングだったけれど、
演奏と雰囲気を愉しむには十分。その中央でウッディ・アレンがクラリネットを吹いている。
仲間とのセッションを愉しみながらも、自分の出番が終わるとうつむいたまま。
その姿が失礼ながら、あまりにもかわいらしくて、
ギャルソンのおじいちゃまたちが醸し出す雰囲気と相まって、おとぎの国にタイムスリップした感じ。
動画撮影禁止のはずだけど、なぜか You Tube にアップされていたので


10
*なかなか予約がとれないというレストラン BALTHAZAR で朝食。


11
*ランチやおやつを買いにくる人があとをたたない Olive's 。


14
*セントラルパークから見たアッパーウェストの夕焼け。


13
*どこから撮ってもフォトジェニックな GUGGENHEIM MUSEUM


15
*予約は6名から、かつ予約困難な FREEMANS
 ホットアーティチョークのディップが絶品。


16
*SANAA が建築を手がけた NEW MUSEUM


17
*NYに近日オープンする ACE HOTEL NEW YORK
 特注アメニティとディテールにこだわったシャワーの蛇口。


18
*壁には各部屋ごとにディレクションされたアートピースが飾られている。


こんな感じで、全力疾走で駆け抜けた10日間。
ミネアポリスで培ってきた日常に、ふっと新しい風が舞い込んだ。
夫にはしばし不便をかけてしまったけれど、そこから得た有り難い気づきも多く、
また改めてミネアポリスの日常にも感謝する、意味深い10日間だった。


| | コメント (3)

2009年2月10日 (火)

インクのついた指

1_2


私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で、
毎月第一土曜日に入館料が無料になる FREE FIRST SATURDAY の、とあるワークショップ。
今回私が担当したのは「Inky Fingers(インクのついた指)」という、
何とも愛らしい名前のついた木版画ワークショップのアシスタント。


3_2
*インクで汚れないためのエプロンも、積み重なるとひとつのアートピースみたい。


猫や木、魚、葡萄、象、靴などが彫られた木版に、
インクを混ぜ合わせて作った自分だけの色を塗って、紙に刷り上げる。
馬楝(ばれん)を使って手刷りの風合いを愉しむのもいいし、
手動の輪転機で刷り上がるのを心待ちにするのもいい。


5_2


子供たちが選んだモチーフに何色をのせるか、
また、希望の色をつくるには、何色と何色のインクを混ぜればいいのか、
家族みんなで思案する。そんなプロセスもまた FREE FIRST SATURDAY で見られる、
幸せな光景のひとつだ。


4_2


「次に象の版画があいたら教えて。私、象が刷りたいの。」
「僕が刷った木はすごく大きいから、DOUBLE TREE HOTEL(※1)っていう名前にしたんだ。」
※1:ミネアポリスにあるホテルの名前。
など、子供たちの発想はとても自由かつ具体的。
大人の私のほうが、あっけにとられてしまう。


6_2


出来上がった作品は、壁に貼って乾かす。
乾くまで、違うアクティビティを訪ねたり、カフェで腹ごしらえをしたりと、
過ごし方はそれぞれ。土曜日に家族揃ってこんな愉しいワークショップに参加できたら、
子供にとってはとてもいい思い出になるはず。


2_2


そして、使い終わった木版をすばやく布で吹き上げてテーブルに並べたり、
空いたスペースのインクを拭き取って、次の家族を迎え入れたり…。
大盛況だったこの日は、来場者がひっきりなしにやってきて、
スタッフは休む暇なく働いた。
そして、気づけば私たちスタッフの指もインクだらけだった。


| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年2月 9日 (月)

シアターデビュー

3
*舞台のクライマックスに、出演者とローカル聖歌隊が挨拶をするシーン。


1月の29日(木)〜31日(土)の3日間、
私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で行なわれた、
Young Jean Lee's Theater Company
によるパフォーミングアーツ 『 CHURCH 』 に、
ローカルの聖歌隊のひとりとして、作品に参加させていただいた。


きっかけは、私が同美術館のボランティアに登録しているから。
アーティスティックディレクターとして脚本と演出を手がける Young Jean は、
作品のクライマックスにアカペラで聖歌隊を入れるため、
この Twin Cities から聖歌隊として参加してくれるボランティアを募った。
誘いのメイルを受けとった私は、相当に悩んだ。
歌は小さい頃から好きなのに、大人になるにつれ人前で歌うことが恥ずかしくなり、
今ではカラオケもままならないほど。
でも心の底には歌が好きという気持ちが残っていて、
東京でも何度か歌を習いに行こうと試みながらも、
忙しさにかまけてなかなか実現できないままだった。
しかし、懸念材料は山積み。
英語の歌を覚えられるのか…、しかも4時間のリハーサルが2日しかない。
しかも、公演は3夜連続。いや、そもそも恥ずかしい!!!
でも、興味があってこちらでできることはすべてやっていくという、
自らが打ち立てた誓いに従い、旅の恥は書き捨てというけれど、知り合いもそういないわけだし、
一か八か、無理だったら辞めればいいという思いで、やってみることにした。


4
*曲の最後のみんながはじけるシーン。


そこで、はたまた痛感させられることとなるアメリカと日本の教育の違い。
歌は上手い下手ではなく楽しむことだって、みんな知っている。
歌詞を間違えずに音程をとるのに必死で、笑って歌う余裕がない私とは大違い。
曲の最後は「踊ってはじけて」と言われ、大開放のアメリカ人と、
まだまだ恥ずかしくて萎縮してしまう、日本人の私…。
痩せていても太っていても、背が高くても小さくても関係ない。
それらのすべては個性であり、個人が輝ける源(みなもと)。
小さい頃から表現力を伸ばす教育を受けているアメリカ人と比べ、
出る杭は打たれる教育で育つ日本人とは雲泥の差。
もちろん、日本人がもつ謙虚さも大切なことだと思うけれど、
自分自身を表現する力と謙虚さは、同居できないことではないとも思う。


2
*控え室で聖歌隊のメンバーと一緒に。


背が小さいひとは前と言われて、うっかり最前列になってしまうし、
いっぱい緊張もしたけれど、歌を歌うことはやっぱり気持ちよくて、
みんなと調和できることが最高に愉しかった。
3日しかない公演だったのに、初日の興奮と、中日の一瞬の気のゆるみと、楽日の高揚感を
一丁前に感じ、舞台芸術はひとつとして同じものを観られないという生の良さがあるけれど、
ひと月も同じ演目を、しかも一日に二回の公演をこなす役者さんたちの努力は、
並大抵のものではないと、恐れながら痛感した。
慣れるまでの緊張感と、慣れた頃に出る気のゆるみ、フィニッシュまでの高揚感を、
ある一定の温度に保ち続けられることこそプロの仕事であり、
ド素人の私は同じテンションを保ち続けることができず一喜一憂してしまった。

6
*なんと、当日配布されたパンフレットにもクレジットされていて感動。


最高であって唯一の、かけがえのない思い出となった舞台出演。
WALKER ART CENTER に、Young Jean Lee's Theater Company に、
そして、私の迷いに理解を示し最後に背中を押してくれた夫に感謝したい。


| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年2月 6日 (金)

雇用許可証

2
*Employment Authorization Card(雇用許可証)が届いた手紙と封筒。


昨日、Employment Authorization Card(雇用許可証)が手元に届いた。
つまり、アメリカで働ける許可をもらえたということ。
そもそものきっかけは、運転免許証を取得する以前に遡る。
アメリカでは、お酒を買ったり飲んだりするのにも、
またお店などで特典を受けるプログラムに入会するのにも、
居住者であるという証明をする ID が必要。
ID として認められている主なアイテムには、State ID という州が発行する身分証明書か、
運転免許証などが挙げられるが、運転免許証は試験に合格しなくてはならず、
車も都合しなくてはならなかったし、時間がかかるので、
まずは State ID を取得しようと試みた。


ところが State ID を取得するには、Social Security Number(社会保障番号/以下、SSN)
と呼ばれる個人を特定するための番号が必要で、それがないとクレジットカードすら作れない。
夫のJ-1(研修者ビザ)では問題なく SSN が取得できたのだが、
私のJ-2(家族ビザ)では SSN がもらえなかった。
すると、U.S. Citizenship and Immigration Services (以下、USCIS)という機関で、
I-688B という書類で申請すれば SSN が取得できるとのこと。
ところが、USCIS に問い合わせると私のビザでは I-688B という書類ではなく、
I-765 という書類だと言われ、なんとその申請には$340もかかると言われた。
アメリカでは尋ねる先が変わると違うことを言われることはよくある。それにしても$340…。
9.11以来さらに厳しくなった State ID の発行。
簡単には許可が下りないような仕組みになっているのだが、申請料がそんなに高いなら、
本当にお金がなくて働かなくてはならないひとは申請すらままならない。
さらに新しい出来事が降って沸いた。I-765 の申請は働ける資格を得るものだった。
ただひとつ、J-1ビザホルダーの経済状況をサポートするという目的でなければ働ける
という条件があり、それは社会経験のためとか、見聞を広めるために旅行に行きたいから、
などの理由でも構わない。
そこで、本当に取得する必要があるのかを考えた。
確かにアメリカ社会を見ることができ、日本に経験として持ち帰れるのは願ってもないこと。
ただし、お金がかかるし、申請が通るのかもわからない…。
しかし、夫と相談して決めたことは、こちらに居る1年の間は、
自分たちが有意義だと思うことはすべてトライして帰ると決めたので、
前に進んでみることにした。


そんなわけで、昨年11月下旬に申請して、ほぼ2か月ちょっと経った先日、
ついに Employment Authorization Card(雇用許可証)が届いたというわけだ。
ちなみに、今後同じケースで申請するひとのために覚え書きとして書いておくと、
提出した書類は以下の通り。


・J-1 ホルダーの経済状況をサポートする目的ではないことを伝えるレター
・I-765 の労働許可証申請書
・Filing Fee $340のチェック
・30日以内に撮影した証明写真(2×2inch・正面向き)を2枚
(頭の天辺から顎まで1〜1・3/8inch/目から写真の底辺まで1・1/8〜1・3/8inch)
・J-2 ホルダー(私自身)のビザ(表面と裏面)のコピー
・J-2 ホルダーの I-94(表面と裏面)のコピー
・J-2 ホルダーの証明書 DS-2019 のコピー
・J-2 ホルダーのパスポートの写真面のコピー
・J-1 ホルダー(夫)のビザ(表面と裏面)のコピー
・J-1 ホルダーの I-94(表面と裏面)のコピー
・J-1 ホルダーの証明書 DS-2019 のコピー
・J-1 ホルダーのパスポートの写真面のコピー
・戸籍謄本のコピー(英訳付き)
・経済状況を証明する書面のコピー


滞在期間は残り半年ちょっと。
短期間で雇ってもらえるところがあるかわからないけど、
他のこともできるゆとりは欲しいので、仕事中心の生活になってしまわないようにしたい。
興味のあるアート&デザインやキッズ関係はボランティアで参加しているから、
食分野などからトライしてみようかと思っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 1日 (日)

キッズアクティビティ

5_3
*『KIDS ON THE RADIO』にてラジオに生出演中の姉妹。


アパートの向かい側にある美術館、MINNEAPOLIS INSTITUTE OF ARTS で子供のためのイベントがあった。
元々、入館料が無料の同美術館で、隣接する夫の研修先、
THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY が共催しているとあって、
夫と私の大人ふたりだけど、覗いてみることにした。


アクティビティは7会場あって、常にどこかで何かが行なわれていて、
全部に参加できるよう、綿密にタイムスケジュールが組まれている。
ミラーボールが回る会場でDJが流す音に合わせて親子で踊れる『KID'S DISCO』。
FM89.3のDJを聴き手に、子供がラジオに生出演できる『KIDS ON THE RADIO』。
ライブ演奏に合わせて、子供も大人も歌って踊れる『LIVE PERFORMANCES』。
親子で参加できる『FAMILY YOGA』と、0-1歳の赤ちゃんが参加する『BABY YOGA』。
FM89.3のDJが物語の読み聞かせをしてくれる『STORY TIME WITH THE DJs』。
ローカルミュージシャンによる弾き語りの演奏と共に親子で歌を歌う『LIVE MUSIC』。
オーガニックスーパー Whole Foods Market の『SNACK BAR』では、
ジュースやシリアルバーが無料配布されていた。


2_2
*ライオンの泣きまねなど、子供にもわかりやすいポーズでリードしていく『FAMILY YOGA』。


印象的だったのは、そこにいるすべての親子が愉しそうだったこと。
大人ふたり連れの私たちだったけど、ついニコニコしてしまうほど愉しかった。
そして、会場と会場を移動する経路は、広い美術館内を通ることになっていて、
子供たちが通って美術品に何かあるといけない、などという保守的な考えを越えて、
初めて来たひともそうでないひともアートに触れる機会になっていることが素晴らしい。
入口は引っ切りなしに訪れる家族と、満喫し終えて帰る家族とで、常時ごった返していた。


6_2
ミュージシャンの誘いに子供たちが続々とステージに集まって踊る『LIVE PERFORMANCES』。


こうして幼少期から、人前で歌ったり、踊ったり、表現したりする教育方針は、
アメリカの個人主義(個性を尊重し、表現できる環境をつくる)を象徴する、
最たるものだと思った。だって、恥ずかしがる子供なんてひとりもいないのだ。
そもそも「恥ずかしい」という感情って、一体いつから生まれるのだろう。
私たちだって、子供の頃は自由に人前で表現できていたはずなのに。
完璧を追求しすぎるせいなのか。日本人は完璧主義の傾向にあるということなのか。
大人になってもまったく物怖じしないアメリカ人の国民性には圧倒されるし、
自分にはなかなかできない分、尊敬もする。
しかしながら、日本人が持ち合わせる奥ゆかしさもまた美徳だと思う。
両方をバランスよく使いこなせたらいいのに、なんて思ったり。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年1月23日 (金)

スラムドッグ$ミリオネア

4_2

ゴールデングローブ賞最多4部門受賞。
アカデミー賞9部門10ノミネート、最優秀作品賞最有力候補の呼び声も高い、
スラムドッグ$ミリオネア』を観た。
ボリウッドフィルム(インドの映画製作の中心地ムンバイの旧名「ボンベイ」と
アメリカの映画製作の中心地「ハリウッド」を文字った通称)は、以前からどうも苦手で、
一時日本でも大層流行ったけれど、失礼ながら一度もきちんと観たことがなかった。

しかし、先日行なわれたゴールデングローブ賞で最多4部門受賞という
金字塔を打ち立てた上に、監督は『トレインスポッティング』のダニー・ボイルだし、
チケットも$7だし、何人かの友人たちの勧めもあって、
観てみようかという気になった。

5

これが、すごくおもしろかった。
インド・ムンバイにあるスラム街で育った少年、兄サリムと弟ジュマール。
ひょんなことから出会った少女ラティカと共に、
幾多の過酷な運命にさらされながらも、逞しく生き抜いて行く。

インド訛りの英語に慣れた頃にはタイトルの所以がわかり、
いつの間にやら、すっぽりと映画の中に惹き込まれている。
ストーリーもよく構築されているし、
テンポのいいカメラワークとインドならではのカラフルな色づかい。
巧みにアレンジされた軽快な音楽にのって、
過酷なシーンもなぜか愉しそうにみえてくるから不思議だ。
もちろん、ボリウッド映画お決まりの歌とダンスもしっかり用意されている。

日本では4月に公開されるらしいので、ここであまり多くは語らないが、
あの痛快さを存分に味わうためには、ぜひ劇場で観てほしい。
とりわけ、上空から撮られたムンバイのスラム街は、
壮大な迫力を感じさせるのと同時に、ある種の恐怖心をも憶える。

英語版『 Slumdog Millionaire 』のトレーラーもご参考までに。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年1月 7日 (水)

ベイビーシャワー

4


アメリカで行なわれる習慣のひとつに、Baby Shower(ベイビーシャワー)というものがある。
ベイビーシャワーの歴史をひも解くと、1800年代後半にまで遡る。
家族や親戚が、もうすぐ母になる女性を祝い、
“たくさんの喜びとギフトのシャワーが降り注ぐ”という意味合いがあるらしい。
伝統的には、みんなが出席しやすい週末の午後にティーパーティ形式で行なわれ、
ホストがお家を提供するだけでなく、お茶やフィンガーフード、デザートや
お土産などもすべて用意する。もちろん祝われる主役の女性もゲストの扱い。
近年では、ごくごく近しい友人たちや会社の同僚などを招くケースも増え、
家で祝う代わりに、カフェやレストランなどで行なわれる場合も多いようだ。


私の世代が子供を授かる時期ということもあってか、
私がミネアポリスに住んでいるこの4か月の間に、
ふたりの友人のベイビーシャワーにお招き頂く機会があった。
ひとりめは、こちらに来て私がとてもお世話になっている、ちかさん。
日本ではテレビや商業演劇などを中心に活躍されていた女優さんで、
昨年の12月16日に元気な男の子を出産された。


6
*結婚を機にミネソタに移住された、ちかさん。


ちかさんのベイビーシャワーは、Patrick's Bakery & Cafe at Bachman's というカフェで行なわれた。
主役のちかさんの周りには、駆けつけた友人からのプレゼントで埋め尽くされていた。
冒頭の写真は、ヨガのインストラクターを務めるちかさんの生徒さんで、
日本からいらした、かなこさんの手づくりの切り絵カード。
あまりに繊細で美しい手仕事に、一同で感嘆した。


1


会場のカフェは、フランス人オーナーが展開している3店舗のうちのひとつで、
お花屋さんと隣り合わせの店内は温室になっている。
植物に囲まれたガーデンパーティのような雰囲気の中で食事やお茶が愉しめる。


13
*Southdale にある Patrick's Bekery & Cafe の外観。


2〜3ブロック離れたところにある Southdale Shopping Center には、
ベイカリー&カフェがあり、サイズはアメリカンサイズだが、
味は日本で食べられる繊細なケーキにとても近いと、
日本人コミュニティーの中では絶大な支持がある。
レイクサイドにはビストロもあり、暖かくなったらぜひ行ってみたいお店のひとつだ。


14
*同店内のショーケースに並ぶケーキたち。テイクアウトもできる。


━━━


7_2
*今月臨月を迎えた、むつみさん。


おふたりめは私と同じミネソタ初めての冬を体験中の、むつみさん。
結婚を機に、去年の4月に移住してきて、ご主人はミネソタのひとだが、
本当に優しくて、気のきくジェントルな男性。
新年早々の1月3日にホストを務めてくださった、きょうこさんがご自宅を提供してくださった。
きょうこさんというのは、こちらでたくさんのお友達ができるきっかけをくださった女性で、
私が東京でフラを習っていた頃の友人が、
ミネソタに行くなら大学の先輩だったご夫妻がいるから連絡してみてと、紹介してくれた方。
偶然にもミネソタに住むための情報収集のために参考にさせていただいていたblogの筆者は、
きょうこさんのご主人だったというご縁もあり、世の中はつながっていると痛感する。


8
*きょうこさん手づくりのスコーン。


話はそれたが、きょうこさんは実にスマートな方で、
私の経験のためにと、むつみさんのベイビーシャワーの打ち合わせから同席させてくれたうえに、
当日のお手伝いをさせていただくことで、企画から全体の流れを教えてくださった。
きょうこさんとむつみさんのおかげで、ベイビーシャワーが企画され、
当日を迎えるまでの過程に触れる機会をいただき、とてもいい体験をさせてもらった。
むつみさんは、来月2月に男の子を出産予定。
生まれてくる赤ちゃんにお目にかかるのが愉しみだ。


9
*フルーツの盛り合わせ。


10
*3種類のサンドウィッチ。中でもターキーとルッコラのサンドウィッチは絶妙な味わいだった。


━━━


ところで、このベイビーシャワーには、さすがは合理主義のアメリカと
感じ入る発見があったのでご紹介。
初めてちかさんのベイビーシャワーにお招き頂き、
「ギフトはどうしますか?」ときょうこさんに聞かれた時は、
自分で選んでプレゼントを用意するのかなと思っていたが、
どうやら暗黙の了解で、然るべきステップがあることを教わった。


このステップとは、主役の女性が欲しいものを、
ご本人に直接聞かなくても済むシステムで“レジストリ”という。
例えば、ホストからベイビーシャワーをしてくれるという連絡を受けた主役の女性は、
予め、アマゾンやべビザラスなどのベイビーグッズを売っているショップにレジストリを作る。
レジストリとは、オンラインでも店舗でも作れる、ウィッシュリストのようなもの。
ベイビーシャワーに招待された人たちは、オンラインや店舗で主役の名前のレジストリを見つけ、
オンラインなら、買いたいものを決めて、そのままチェックアウト。
購入されたアイテムはその瞬間に購入済みの印がつく。
店舗では、レジストリのリストを印刷できて、各アイテムの陳列場所まで分かるという仕組み。
店舗で買う場合は、主役の人のレジストリのアイテムとして買っていることを店員さんに伝え、
買われたアイテムとしてカウントされる。
もちろん、オンラインと店舗の情報は、統合されているので、
ダブって買われることもなく、かつ主役の人が欲しいものが手に入るという仕組みだ。
確かに「何が欲しい?」と言われても、日本人の気質としてはなかなか言えないもの。
でも、オンラインショッピングをしているような気持ちで、
欲しいものが選べるうえに、プレゼントしてもらえるならとてもいいシステムだと思った。
特に赤ちゃんのものは、短い期間しか使わないものも多いし、
赤ちゃん準備金が節約できるうえ、招待客も少しでも役に立てるなら嬉しいというもの。


ちなみにゲストの招待には、"Evite"と呼ばれる招待状サイトを使うのが主流。
ベイビーシャワーだけでなく、誕生日会、送別会、引越し祝いなど、
様々な用途のパーティにゲストを招きたい時に、気軽にオンラインで作れる上に、
郵送代もかからない。特筆すべきは、出欠席の管理ができること。
参加者の返信状況や、出欠確認がオンタイムでできる。
ホームパーティが多いアメリカでは大変に重宝されるわけだ。
一例として、ベイビーシャワーの招待状サンプルを作ってみた。
□Yes □Maybe □No と、チェック欄があり、
誰が来て、誰が来れないのかが、一目瞭然でわかる。


日本に帰ったら、こんなシステムが利用できる仕組みを考えてみようかな、なんて思ったり。
より詳細なベイビーシャワーのしきたりについては、BABY SHOWER 101によくまとまっているので、ご参考までに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

art & culture | diary | fascinating stuff | food | shop & cafe & restaurant