diary

2009年9月18日 (金)

空色庵

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お久しぶりです。
こんな気ままな私のブログを心待ちにしてくださる方々、
しばしのご無沙汰を心よりお詫び申し上げます。

8月の終わり頃、ミネアポリスから東京に戻り心機一転。
10年前に東京で知り合って以来、
私が姉のように慕う神宮寺愛さんの呼びかけで、
様々な分野で活躍する伝え手の方々が集まる「空色庵」に
参加させていただくことにしました。
各界の先達方がそれぞれの視点で描き出す“空の色”が、
部屋ごとに描かれて行くので、ぜひ覗いてみてください。

私も『風のまにまに』というタイトルはそのままに、
今後はこちらの「空色庵」にて引き続き東京での生活を綴ります。
これからもどうぞよろしくお願いします。

「空色庵」内『風のまにまに』はコチラ 

白石宏子


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2009年6月 5日 (金)

食べるということこそ、生きること 人生とは食べる旅

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フードディレクターとして、雑誌やテレビ、ラジオ、パーティケータリングなどで、
食にまつわる空間を創り続けて来た野村友里さん。
以前、ゆりさんが映画を撮ったことについて触れたけど(映画を撮るということ10日間
そんなゆりさんが初監督をした映画『 eatrip 』が、
ついに明日、2009年6月6日(土)〜26日(金)恵比寿ガーデンシネマにて公開になる。


初日の舞台挨拶にはゆりさんのほかに、
出演者である UA さんと浅野忠信さんも登壇するそうだ。
あいにく舞台挨拶の回はすでに全席完売だそうだが、
連日に渡って個性豊かなゲストをお迎えする「トークショー」や、
なかなか映画館に足を運ぶことが難しいお子様連れの方のために「ママのための上映会」、
また「英語字幕付きの上映会」では、外国人の方も映画館で新作の邦画が観られるなど、
かゆいところにも手が届く、多彩な取り組みが目白押し。
まさに、映画『 eatrip 』強化月間だ。
(イベントの詳細についてはコチラ


本当なら私も初日から駆けつけたいところだが、
あいにくそれは適わないので、日本に帰国したらぜひスクリーンで観たい。
ちなみに明後日、6月7日(日)7:00〜7:30AMのフジテレビ『ボクらの時代』に、
ゆりさん、UA さん、内田也哉子さんの3人が出演するそうなのでそちらもお見逃しなく。
あわせて、映画のオフィシャルサイトもとてもよくできているので、
まだご覧になっていない方はぜひコチラへ☟
映画『 eatrip 』オフィシャルサイト

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2009年4月22日 (水)

たんじょうび

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実に3週間ぶりの更新。
3週間ぶりって……と自分でも思うけど、今月はなんだか慌ただしい。
私をよく知るひとは「いつものことでしょ」と思うだろうけど、
何で慌ただしいかは、また追ってご報告することにする。


というわけで、とりあえず2週間前のことから。
おかげさまで、私も35回目の誕生日を迎えた。
こうしてアメリカで迎えることになるとは、つい5年前には思ってもみなかった。
毎年変わらず健やかに誕生日を迎えられる幸せに、心から感謝したい。


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誕生日の当日は、夫がディナーに連れて行ってくれた。
ミネアポリスで最も有名な劇場 GUTHRIE THEATER の1Fにあるレストラン Cue へ。
海のない内陸にあるミネソタでは、お肉と較べて魚介類が高い上に鮮度は低い。
だから外食する時にシーフードを食べることにしている。


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*ムール貝とハーブの白ワイン蒸し


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*ロブスターと真イカのグリル


ワインのメニューリストを開いたら、
なんとアペリティフの欄に、日本の発砲にごり酒があった。
にごり酒を食前酒に飲むなんて、アメリカ人はわかってないよねなどと話しつつも、
気になって頼んでみたら、意外にも軽くてすっきりとした甘さ。
しかも微発砲で、その泡の微細具合がいかにも日本人の仕事らしい。
これをアペリティフに持って来た、このレストランのソムリエはあっぱれだ。


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すっかりいい気分で、次に出かけた先はメジャーリーグ観戦。
ミネアポリスには、ミネソタツインズというチームがあって、
地元の人は一人残らず応援している。
Hubert H. Humphrey Metrodome は、その拠点でもあり、大きさは多分東京ドームと同じくらいだと思う。


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*どこの国にもいるダフ屋のみなさん。


この日は、シアトルマリナーズとの試合だったので、
WBC 終わりのイチロー選手や城島選手が観られると愉しみにしていた。
ところが、その日はイチロー選手には珍しい、まさかの故障者リスト入り…。
WBC の疲労は半端なものじゃなかったようだ。
とても愉しみにしていたけど、WBC で素晴らしいゲームを披露してくれたイチロー選手には、
ゆっくり休んでもらいたかったので、その日はよしとすることに。
久しぶりの野球観戦だったけど、ドームにはやはり特有の空気があって、
これといって野球好きでもないけれど興奮する。
席に座ると、後ろから名前を呼ばれたので振り返ってみたら、
なんとビッグサプライズ!お友達のまさこさんファミリーがいらしていた。
まさこさんは二児の母でありながら、とてもスマートに催しごとをアレンジしてくれる。
女性像として、私が尊敬する方のひとり。
しばしの帰省からお父さまと一緒にミネソタに戻っていらしたそうで、
偶然の再会に、一層興奮も高まる。


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*左から、まさこさんのお父さま、長男のカイちゃん、まさこさん。
 中央上、次男のケンちゃん。抱いているのはダンナサマだけど腕のみのご出演。


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*右端、この日1本もヒットが出ず、うつむいてベンチに戻る背番号2番、城島選手。


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*一緒に観戦に行った友人たち。左から、夫、友人のありうみさん、ジム、ゆりかさん。


日本では3塁側にホームのチームを応援するファンが座り、
1塁側にアウェイのチームを応援するファンが座るけど、
アメリカはあまりに広いため、敵陣に乗り込んでくるファンがあまり多くない。
よって、マリナーズ側の1塁上のスタンドもツインズファンで埋め尽くされている。
終始押され気味だったツインズにこの日は観客も見かぎり、
8回くらいから渋滞を避けるために、ぽろぽろと帰り始めるひとがいた。
しかし!その後、2点ビハインドで迎えた9回裏2アウト満塁という場面で、
ツインズの2番バッターがヒットをたたき出し、サヨナラ勝ち!


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ファンは大盛り上がり♪私たちも乗っかって大盛り上がり♪
「昨日の試合観た?」と挨拶代わりに語られるほど、ファンにとっては嬉しい快挙だったらしい。
こちらに居る間に一度は観てみたかったメジャーリーグ観戦。
その後は、友人たちとダウンタウンのバーで勝利の祝杯をあげつつ、誕生日を祝ってもらった。
試合内容も充実していたし、嬉しい出会いもあり、とても愉しい誕生日だった。


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日本とミネソタの友人たちから誕生日プレゼントもたくさんいただいた。
送料も高くつくのにわざわざ日本から贈り物をしてくれた友人や、
カードやメイルを送ってくれた友人たち、本当にありがとう。
そして知り合って間もない私の誕生日を祝ってくれる
ミネソタの友人たちの気持ちは、本当に嬉しかった。


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*左は、アルファベット順に動物が紹介されている『アルファペット』。
 右は、お仕事でご一緒させていただいたことのある亡き河合隼雄氏の著書『神話の心理学』。


大の本好きで、私が姉のように慕うみきさんから届いたたくさんの本と雑誌たち。
中でも『アルファペット』は、みきさんの後輩の方がつくられた本だそうで、
アルファベット順に動物の英語名を紹介し、そのアルファベット型の動物が、
はさみとのりを使わずにつくれるという、とてもよくできた本。
『神話の心理学』は、読んでみたかった本なのですごく愉しみだ。


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*前出左の『アルファペット』の中身。


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*左から、『スーパーマーケットマニア・アメリカ編』、『ポストオフィスマニュアル』、
『「月夜」の楽しみ方24』。


出版社に勤める高校時代からの友人、みゆからの贈り物は上記の3冊。
私の好きそうなものを選んで買ってくれたという友人の観点が、また新鮮で嬉しい。
『スーパーマーケットマニア・アメリカ編』は、私が好きなNYの食料品店 ZABARS が大特集されているし、
『ポストオフィスマニュアル』は、その国らしさは郵便局に表れるという興味深い視点で、
世界中のポストオフィスを紹介してあり、私が二十歳の頃に住んだスイスも載っている。
『「月夜」の楽しみ方24』は、文字通り24項目に分けて楽しみ方が記されていて、
秋の夜長に読みたい一冊だ。


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*人生初、自分の聖書。


コバルトブルーの表紙が目に鮮やかな聖書。
ミネソタで私が母のように慕うひとみさんと、昔からの友人のように仲の良いゆりかさんから。
私がたくさんのことを経験させていただいているのは、おふたりのおかげ。
聖書は「人生のマニュアル」と言われ、人生に起こりうるすべてのことが書かれているそうだ。
アメリカを知るには、「キリスト教」を学ばなくてはと痛感し、
今年の始めから、英語の勉強も兼ねてバイブルスタディに通っている。
とはいえ、この世で起きる事象はすべて神が創ったものだと信じるには、
あまりに私の中で消化しきれない疑問が多すぎて難しいけれど、
キリスト教の真理を知ることで、アメリカにもたらされる現象が理解しやすいのは事実。
紀元前1400年から1500年間に渡って書かれ、
この数千年もの間、変わらずに受け継がれている一冊の読み物があると思うと、
それなりの説得力がある。どれだけかかるかわからないけれど、
読んでみようと思う時に気ままに読んでみるつもりだ。


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Cuisinart のミニフードプロセッサー。


最後に、兼ねてから私が欲しいと思っていたフードプロセッサー!
これは、私のヨガの先生でもあり、たくさんの価値観を共有している大切なお友達のちかさんから。
アメリカに来て、何でもゼロからつくる奥様が多いことに驚いた。
日本で手みやげというとお気に入りのお店で買って行くことが多いけど、
こちらではパンもお菓子もお料理もみんな手づくりで、さっと作って持って行く。
外で買うものになかなか満足のいくものがないから、自分で作るようになるのだとか。
そんな影響で、日本にいる時から欲しかった、ル・クルーゼの鍋と圧力鍋に加え、
フードプロセッサーもパン焼き器も欲しいと思っていた。
特にフードプロセッサーは周りにいる料理のプロたちはよく使いこなしているけど、
ごくごく一般的なレベルの私みたいな主婦が持っていても、宝のもちぐされだと思っていた。
しかも、日本とアメリカでは電圧が違うので、買うのも躊躇していたところ、
突然いただいた袋を開けたら、フードプロセッサーがいた!!!
しかも、誕生日だなんて言ってなかったのに…。一生大切に使わせていただく。


そんなわけで、家族を始め、友人たちに本当に感謝。
みなさんのおかげで、今の私がある。
こうして私も、35歳になった。

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2009年4月 1日 (水)

賢いJazz

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ある音楽家一家のお誘いで、セントポールにある Jazz Club に連れて行っていただいた。
個人的には音楽は好きなほうだが、特にジャンルにはこだわらず、
いいと思うものは何でも聴くようにしている。
基本的には断然ライブ派だが、アメリカに来てからというもの、
家ではほとんどテレビを観ないし、車をよく運転するので、
イヤホンを通さずに音楽を聴く機会が格段に増えた。
聴く媒体は、iTunes と iPod にお世話になるか、
一日中いい雰囲気の JAZZ が流れている JAZZ 88 FM


今回行った Jazz Club は、The Artists' Quarter といって、
1920年に建てられた歴史あるビル Hamm Building の地下にある。
ビルのエントランスには飾り天井が見事なエレベーターホールがあり、
昔気質でクラシカルな内装の床屋さんや、味にも定評があるビストロが入っていたりする。


The Artists' Quarter は、現役のミュージシャンたちによって運営されている JAZZ Club で、
様々なアーティストが日替わりでライブを行なう。
カバーチャージは無料のものもあるが、大抵$5〜$10ととてもリーズナブル。
この料金で本格的なジャズが生で聴けるのだからアーティストに申し訳ないくらいだ。


この夜に演奏したアーティストは“PETE WHITMAN'S X-TET”。
4人で演奏するのがQuartet(カルテット)だから、X-tetは10人で編成されている。
日中は音大の教授やプライベートレッスンの講師など職業は様々だが、
月に一度みんなが集まり演奏するという貴重な機会。
この大人たちが、ほんとうに格好よかった。
容姿は統一感がなく、Tシャツにジーンズの人もいれば、ドレスアップした人もいるし、
白髪のベテランもいれば、モヒカンにシャツをビシッと着た若手もいる。
一見自由な雰囲気を醸し出す彼らの演奏を聴いて行くうちに、
気ままに音を奏でているのではないことが、素人の私でもわかる。
一緒に連れて行ってくれた家族の、音大に通っているお嬢さんがこう言った。
「彼らの Jazz は、賢い Jazz なんです。」と。


なるほど。一心不乱にリズムを刻みだすドラマーも、
片手に2本、計4本のスティックを自在に操るビブラフォン奏者も、
歌うように吹きあげるトランぺッターも、みんなお互いのスキルを信頼し切っている。
Jazz は、その場のセッションから生まれるグルーブ感を愉しめる音楽だが、
彼らの演奏は、その場の空気や互いの音を愉しみつつも、
すべて計算し尽くされた緻密さを感じさせる。
野球のバッテリーのように、指のサインやアイコンタクトで、
見事なまでに10人の音が合わさり、紡ぎだされていく。
「音楽って、愉しい。」
そう思わせてくれるライブだった。


ミネソタには、ローカルな人々によるローカルな文化が根付いている。
地元企業や個人投資家による文化施設への出資、地元アーティストの支援、
美術館や劇場への子供無料招待や出張授業などの地域活動、食分野では地産地消、
そして、音楽も決して例外ではない。
ミネソタオーケストラも全米ではかなりレベルの高い交響楽団だが、
名声や権威を求めて海外公演に同じ予算をかけるなら、
それらを地域活動に活かそうという考え方なのだそうだ。つまり優先順位が違う。
それは内陸にあるという地域性も多いに関係しているとも思う。


一方で東京は、大なり小なり、歴史あるものから前衛的なものまで、
ありとあらゆる作品が世界各国から集まり、ある意味でカルチャーも飽和状態にある。
世界的に有名な美術館の展覧会が来ると連日長蛇の列ができるけど、
一体どれだけのひとがその本質的な価値を知っているのかはわからない。
アメリカよりずっと古い昔から独自の文化を持ちながらも、
国内外を含む幾多の作品から、観客が観たいものを選べる環境にある東京と、
将来を見据えて地域に投資し、それらが実り育まれて来たミネソタ。
そこに触れる観客の目や耳や感覚は、それぞれにどう研ぎ澄まされていくのか。
気になるところだ。


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2009年3月20日 (金)

春分の日に考えること

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*アパートを覆い尽くしていた雪もようやく溶けた。


Spring has come ━。
今日は春分の日。英語では“First Day of Spring”。
春を迎える最初の日。
二十四節気では、今日が一年の始まり。
昼と夜の時間がちょうど同じ長さになり、陰と陽のバランスがとれる日。
つい先週まで地面は雪で多い尽くされ、-20℃になる日もあったのに、
数日後には急に暖かくなって20℃にまで上昇し、その40℃の温度差は何?と、
相変わらず驚かされる。


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*ミシシッピ川沿いにある水門を流れる水が凍っていた様子。


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*ミシシッピ川の川面も冬場は凍っていて、水面が見えないこともあった。


ミネソタに住んでいると、草木が芽吹いて春に向かうエネルギーを、
東京に居るよりもずっとずっと身近に感じる。
雪が溶けだすと、雪が水分となって地面が湿るせいか、
土の匂いがぷんぷんと薫ってくる。草木が地上に出てこようとしている音さえ聞こえそうだ。
一方で、雪の下に半年間温存されていた秋の枯れ葉も出て来たりして、
春に向かうのに、秋に戻ったようなそんな感覚もある。
寒い季節を越えて、活動を再開したリスにもよくお目にかかるけど、
柔らかくて薄緑色をした新芽にお目にかかれるのは、もうちょっと先なのだろう。


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*去年の秋の落ち葉がまだたくさん残っているお庭。


こうしてみると、東京の四季の移り変わりはとても繊細で、
その変わり目にこそ日本人としての美意識を育む要素が隠されているように思う。
ミネソタの気候は、四季があるとはいえ、その変わり目は非常に極端。
だからこそ暖かくなると突然半袖短パンになって、
身体全部でこの気候を愉しもうとするミネソタ人の気持ちもわかるし、
季節ごとの愉しみ方に長けているこの土地の人々の思考が、
住み慣れた今は手に取るようによくわかる。
そして自然が大きな宇宙エネルギーに沿って生息を繰り返すのと同じように、
人間の営みもまたその一端に過ぎないのだと痛切に感じるこの頃。


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*特徴的な建築が目を引く GUTHRIE THEATER の穂先とミシシッピ川にかかるストーンアーチブリッジ。


そんな宇宙の流れに身をまかせて、私も幾つか新しいことを始めてみた。
1つめは、2月後半から通い始めた、
ESL(English as a Second Language=第二言語としての英語)。
教会が無料でやっているもので、授業料は水道光熱費としての最初の登録料$15のみ。
講師はすべてボランティアで、PhD (博士号)を取得し、
5カ国語を操る教員だった方もいて、講師陣はとても優秀。
授業内容も充実していて、ESL の入門コースから上級者コース、
TOEFL に合格するためのコースなど、目的別に選べて、いくつ参加しても無料。
夫が通いだしたのがきっかけだったのだけど、日常会話がある程度できるようになると、
あとは知っている単語を並べ替えて、何とか意思疎通を図るようになり、
それ以上の努力をしなくなる。日本に帰っても学校に通うとは思えないし、
それなら時間のある今のうちにブラッシュアップしておこうと思った。
私が通っているのは、ボキャブラリーを増やすクラスと、
映画を観てカルチャーを学び、ディスカッションをするというクラス。
兼ねてから語彙の乏しさが悩みだった私にピッタリのクラスで、とても勉強になる。
初めて行った日には、その日に出て来た単語のうちひとつしか知らなかった…。
ちなみに、そのテキストは12歳の子供たちが学ぶテキスト。私の英語力なんて、そんな程度。
遠慮という文化がない中国人のみなさんに圧倒されながら、愉しい授業を受けている。
夏までにどのくらい語彙が増やせるかな。


2つめは、ずっと興味のあった yoga 。
仕事でも習い事でもそうだけど、「誰とやるか」、「誰に習うか」、
ということが、私にとってはとても重要。
こちらにきてピラティスを少しやってみたが、しっくりくる講師の方に巡り会えなかった。
yoga は、東京でも何度もお誘いいただいたり、少しだけ習ってみたこともあったが、
自分の準備が整っていなかったせいか、どれもしっくりとこなかった。
そんな時、ミネアポリスで出会った ちかさん が yoga のインストラクターで、
昨年末に無事に出産され、愛息と過ごす暮らしにも少しずつゆとりができたので、
自宅でスローに始める感じならシェアしてくださると、すばらしい機会をいただいた。
ちかさんになら yoga を習ってみたいと兼ねてからラブコールをしていた私は、
帰国するまでにちかさんに習えるなんて思ってもいなかったから、ほんとうに嬉しかった!
このことは、私が yoga を始めるに値するとても重要な出来事だったから、
ほんとうにありがたく、いま週に一度ちかさんのお宅に通って、
愛息のコナーくんと一緒に yoga を習っている。
ちかさんには yoga の素晴らしさだけでなく、生きることやライフスタイルに至るまでを、
シェアしていただいている。この貴重な機会に感謝するばかり。
そんなちかさんの暮らしを綴ったブログはコチラ。

ちなみに、日本でピラティスを習うならこの方と私が敬愛する北佳子さんが、
大阪にご自身のスタジオを設立されたのでご紹介。
私が東京に居た頃に仕事でお世話になっていた方で、
骨格や筋肉の特性からピラティスを指導してくださり、
つい頭で理解しようとしがちな大人でも心身共にうなずける独自の手法。
大阪までは通えないのが残念だけど、お近くの方はぜひ!


3つめは、お仕事探し。
労働許可証が手に入ったことだし、暖かくなって来たし、
残る滞在も5か月と迫って来たので、本格的に探さなくてはと年明けから少しずつ動いている。
といっても、働きたいところは一箇所で、お気に入りのオーガニックスーパー The Wedge Co-op
アメリカに来て以来、手軽にオーガニック食品が手に入ること、
ローカルファーマーやメーカーとのネットワーク、地元住民とのコミュニティー化など、
その先進性には驚かされるばかり。日本でそれを実現するには、10年以上はかかるだろうな。
だからこそ、どうしてもここで働きたい。
ちなみにこのミネアポリスの Wedge は、全米のオーガニックスーパー市場で、
10本の指に入るというクオリティーの高さ。
1月の Job Opening 時には、まだ労働許可証が届いていなかったので、
ダメもとで申し込んでみた。もちろん、だめだった。
労働許可証が届いてから、2月後半にタイミングよく Job Opening があったので、
懲りずに申し込んでみたが、やはりだめだった…。
そもそも連絡がないのはだめだった証拠なのだけど、電話で問い合わせてみたら、
「指定の申込書だけでなく、履歴書をつけたら採用してもらえたよ。」と
電話にでた男性がアドバイスをしてくれた。
こんな風に見ず知らずのひとに、快くアドバイスをしてくれるようなスタッフを含め、
そういったリベラルな雰囲気もまた魅力のひとつ。
次回にチャレンジということで、前向きに捉え自分の履歴書を書いてみた。
英語の履歴書を書くのはスイスのホテルで働いた時以来、2度目。
その頃よりも明らかに書くことは増えているのだけど、
今までの自分を見つめ直すと、知らないひとに自分のことを紙一枚で伝えるのって難しい。
しかも、私の経歴って知らないひとが見たら「???」って思うだろうなぁ。
一進一退。日々、精進。


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2009年3月14日 (土)

チュービング

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*スノーチュービングレーン。


ミネソタには“Snow Tubing(スノーチュービング)”と呼ばれるウィンタースポーツがある。
山がないので、スキーやスノーボードには向いていない地形だという理由もあると思う。
一応、スキーもスノーボードもできるスキー場はあるけれど、
日本で滑り慣れているひとには、滑りたいという気にさえならないと思う。
チュービングとは、読んで字のごとくタイヤのチューブでできたソリに乗って、
区分けされた雪の傾斜をひと息に滑り降りるという、至ってシンプルなアクティビティ。
最初に誘われた時には、ソリなんて子供の遊びでしょ、と生意気にも思っていた。
しかし“こちらでしかできないことはすべてやっていく”のルールに則って、
ここでやらなきゃ一生やらないだろうと思い、出かけてみることにした。


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*複数人でジョイントして滑ると、一層スピードアップする。


チュービング場に到着すると、犬を散歩をさせているかのように、
長いヒモで繋がれたチューブを引きずる大人や子供が至る所に溢れている。
そして、眼前に広がるチュービングレーンを前にすると、
幼少期に雪が降った日の興奮を思い出し、居ても立っても居られぬ衝動に駆られる。
早速、マイチューブを手に入れ、いざ出陣!
チューブはドーナツ型をしていて、真ん中の穴の部分にお尻をすっぽりと入れて滑るのが基本。
上級者になるとヘッドスライダーのまま滑ったりする。
まずは単体で滑ってみる。一見なだらかに見える傾斜は滑ってみると意外に急で、
丸いチューブはくるくると思わぬ方向に回転し、後ろ向きのまま滑り落ちて行ったりもする。
簡単に言うと、カリブの海賊で船が落下するところとコーヒーカップが合体したような感じ。
「おもしろいっ!!!」


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*ジョインとの仕方は実にアナログ。相手のチューブに自分のヒモを通して持つだけ。


複数人で繋がるとスピードが加速するので、ひとりの時とはまた違う面白さ。
しつこいほどに至ってシンプルな仕組みにも関わらず、一度滑ったら病みつきになる。


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*滑り終わったら、ベルトコンベアー状のエスカレーターでチューブごと登る。


滑り終わったあとに坂の上まで登る手法もまた、ぷぷっと笑えておもしろい。
空港などにある動く歩道の傾斜版。ヒモでチューブを引きながらベルトコンベアーに乗る。
この画がまた実に面白く、工場で生産される商品になったような気持ちになる。
画期的なアイディアのようで、ちょっとアナログな感じが、またいい。


私たちが行ったところは、Three Rivers Park District の Elm Creek Park Reserve というところ。
2時間で$12と、お値段もリーズナブルで、
この2時間という時間制限は、疲労のピークと飽きる少し手前という絶妙なポイント。
飽きるまでやってしまうと次回は来ないし、「あともう少しだけ…」っていうところが上手い。


大人も子供も本気で遊べるうえに、値段も手頃だし、
道具も身体ひとつでいいから、日本にもあったら流行るよね、と話していたが、
車で30分程度で来れるからいいものの、日本みたいに何時間もかけて
わざわざチュービングをしには行かないかも…というのも納得できる。
泊まりがけなら、そのうちの数時間がチュービングでも充分に楽しめる。


日本にはまだないのだと思っていたら、
日本語の スノーチュービング のサイトがあったので、
ご興味がおありの方はぜひ。
こちらのサイトによると、日本でも導入しているスキー場は少しずつ増えているとか。
流行ると思うんだけどなぁ、日本でも。


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*チュービングを終えると、ふと足を止めたくなるような夕焼け。


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*夕焼けのあとに見つけた月。夜が更けるほんの少し前の空と月の共演。


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2009年3月 9日 (月)

次男坊

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3月6日(金)午後3時38分、弟の家族に次男坊が誕生した。
出産予定日は、このたび晴れてお兄ちゃんとなった長男の昌太郎(ショウタロウ)と同じ、
3月14日の予定だったが、8日早く生まれたらおばあちゃん(私の母)と同じ誕生日。
なんたる偶然!また、この日は他にも行事が重なっていて、
中学の教員をしている弟は、受け持ちの3年生の卒業式当日だった。
そのうえショウタロウが発熱してしまい、保育園からのお迎え要求も…。
弟は卒業式の準備で数日前から徹夜が続いていたうえに、
出産の立ち会いと、ショウタロウの保育園のお迎えが重なってしまった。
すると、弟が師匠と仰ぐ職場の先輩先生が、
「保育園には俺が迎えに行ってやるから、お前は病院に行け。」
と言って、ショウタロウを迎えに行ってくださったのだそうだ。なんと有り難いこと。
こうして弟たち一家は周りの方々に助けられ、激動の一日を乗り越えた。
翌日からは母が手伝いに行っているので、弟と奥さんが少しでも楽できるといい。


8日早く生まれた次男坊は2905gとコンパクト。
弟の奥さんがショウタロウを産んだ時は、
出産の痛みを「鼻からスイカを出すようなもの」と表現していたが、
今回は「鼻からメロンにしとこうかな」と言っていたのが、妙におもしろかった。
母は強し、だ。


名前はまだ本決まりではないそうだが、孝英(コウエイ)になりそうとのこと。
弟と奥さんが知り合ったきっかけは、私の父が入院していた当時、
奥さんが父の担当看護師だったこと。
弟と奥さんはその経緯を今でもとても大切にしていて、
二人の愛息たちに、今は亡き父の名前から一文字ずつをそれぞれの名前に入れることを決めた。
いつか二人が大きくなったら、おじいちゃんの名前からもらったことを教えてあげたい、
という弟と奥さんの考えを聞いて、言葉にならなかった。
なんと幸せな父だろう。すごく喜んでいるに違いない。


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*去年の夏のものだけど、私の大好きな長男のショウタロウ。


ショウタロウも、ついにお兄ちゃんだ。
帰国したら、次男坊を抱くのも本当にたのしみ♪


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2009年3月 1日 (日)

10日間

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今日から3月。
日本ならうららかな春が待ち遠しい頃だけど、そうは問屋が卸さないのがミネソタ。
3月はまだまだ雪が降る季節。今日も窓からはあたたかな日差しが差し込んでいても、
外気は-16℃なのだから…恐ろしい。


実は2月の半ばから、非日常的な時間を過ごしていた。
というのも、東京からNYに仕事でやってきた仲間たちに会いに行っていたから。
しかも、仲間のうちのひとりは、長きに渡り一緒に仕事をしてきて、
私の結婚式ではスピーチもお願いしたゆりさんだったのだけど、
なんとNYに行く前にミネアポリスを訪ねてくれた。
私の友人では初めてのミネアポリスへの来客。
ついでがないとなかなか来る機会もない場所だし、
まさか本当に来てくれるなんて思ってもいなかったから、本当に嬉しかった。
ゆりさんの4日間の滞在中、夫の研修先 THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY の、
" ROMEO AND JULIET "が初日を迎えたので、ゆりさんにも観てもらった。
今回の作品は子供向けとはいえ、シェークスピアで台詞も難しいので13歳以上が対象。
観客席がなく空間全体が舞台になっていて、役者もセットも道具も観客も、
すべてが混同しながら物語が進んで行く、非常に画期的な演出方法。
(※ ROMEO AND JULIET をクリックして、右下の動画を参照。)


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初日前夜には、初日祝いを兼ねて掘り出しもののワインを買い込み、
ちょっとしたディナーを作ることに。ゆりさんとレシピを考えて一緒にお料理をした。


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心を込めて作る料理は、いつもと変わらない日を特別なものに変えてくれる。
この日のもうひとつの楽しみは、いよいよ公開が決まったゆりさんの映画を観ること。
本当は東京に帰ってからスクリーンで観ると決めていたのだけど、
公開までに帰国できないこと、またミネアポリスでの残りの半年を過ごす間に、
映画から考えることと、アメリカで私が感じていることをすりあわせられると思ったので、
ゆりさんとも相談して、結局見せてもらうことにした。
そして何より、ゆりさんがわざわざミネアポリスまで来てくれたという特別な状況で、
おいしいワインと食事を囲みながら、夫と3人でじっくりと観られたことは、
何よりもいまの私たちには意味があった。
ゆりさんが持てる力のすべてを最後の最後まで絞り出して、
大切なひとたちと大切なことをフィルムに収めた作品。
食べること、生きること、選ぶこと、愉しむこと、地球のこと、宇宙のこと。
今の時代を生きるすべてのひとに観てほしい。

映画 "eatrip"
2009年6月恵比寿ガーデンシネマほか全国劇場公開予定。

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話を元に戻して、この日に飲んだ掘り出しもののワインというのはコレ。


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ゆりさんがリカーショップで見つけた Francis Ford Coppola Presents の "DIRECTOR'S CUT" というワイン。
DIAMOND COLLECTION は日本でもよく見かけるけれど、DIRECTOR'S CUT は初めて見た。
思わずジャケ買いしてしまうほど印象に残る外装は、
フランシス・F・コッポラ監督の映画づくりとワインづくりに対する思いが込められている。
2006年にコッポラ監督がカリフォルニア州・ソノマに移り住んだことを記念して、
それまでにつくっていたワインとは一線を画し、
映画監督のヴィジョンを最も反映させた作品 " DIRECTOR'S CUT " から命名されたライン。
ラベルには、映画史へのオマージュとして、ブドウの品種別に異なるモチーフが施されている。
ワインメーカーとして、ワインの個性やその称号を素直に表現し、
さらにはワインづくりと映画づくりの両者において、
その智慧がアメリカの真の芸術として残るよう、
妥協のないスタンダードを目指すという誓いのもとにつくっているのだそうだ。


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驚かされるのは、その特異な外装とストーリーだけじゃないところ。
中身を飲んだら、その装いをも忘れてしまうほど衝撃的においしい。
Chardonnay は、白ワインの爽やかさを残しながらも、
コクのある甘さとフレンチオークの余韻。
Zinfandel は、赤ワイン特有の渋みはあまりなく、ブラックベリーの香りとバニラの甘さに、
ピリッとスパイスを効かせた奥深さ。
共にクセのある味だから好き嫌いはあるかもしれないが、まさに質実伴った仕上がりだ。
ご興味のある方は、こちらのサイトでも購入できるようなので、ぜひお試しあれ。


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*ミシシッピ川上空に降りた天使の梯子。


ゆりさんのミネアポリス滞在最終日の夜は、現在 WALKER ART CENTER で行なわれている、
ELIZABETH PEYTON の " LIVE FOREVER " のオープニングパーティに出かけた。
同展は、このあとに出てくる2007年12月にオープンした、
NYの Bowery にある NEW MUSEUM の巡回展。
当日は全館をパーティのために開放し、美術館内のレストランとカフェをプロデュースしている、
WOLFGANG PUCK のケータリング。
久しぶりにパーティに出かけたけど、予想通り身の置き所がなくてソワソワしてしまう。
やっぱりもてなす側の方が性に合うと痛感。


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*ガラス工場で出たガラスのくずを利用して作ったシャンデリアとミラーボウルの光。

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14日の朝、ゆりさんと共に一路NYへ。
やっぱり、NYは好き。みるみる変わっていく部分とずっと変わらない部分が同居している。
アメリカの中では、一番多く行っている場所なのに、何度行っても掴みきれない。
ちっぽけな島なのに、とてつもなく大きく感じる街。

東京から来ていた仲間のほかに、メキシコやNY在住の友達も集合して大賑わい。
顔を合わせる面々は東京で会う仲間なのに、不思議とそこはNY。
でも全く違和感がない。
東京を発って半年しか経っていないのに、もう随分会っていない気がした。


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*ベジタリアンレストラン、CANDLE CAFE


NYで落ち合った仲間のひとり、いきちゃんの紹介で、
年に3か月、毎週月曜しかやっていないという、超レアなウッディ・アレンのジャズライブに出かけた。
会場はアッパーイーストにあるホテル THE CARLYLE の1階にある
こじんまりとしてクラシカルな CAFE CARLYLE
マネジャーもギャルソンもバーテンダーも、ほとんどが高齢のおじいちゃまたち。


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テーブル席は予約でいっぱいだったので、バーカウンター前のスタンディングだったけれど、
演奏と雰囲気を愉しむには十分。その中央でウッディ・アレンがクラリネットを吹いている。
仲間とのセッションを愉しみながらも、自分の出番が終わるとうつむいたまま。
その姿が失礼ながら、あまりにもかわいらしくて、
ギャルソンのおじいちゃまたちが醸し出す雰囲気と相まって、おとぎの国にタイムスリップした感じ。
動画撮影禁止のはずだけど、なぜか You Tube にアップされていたので


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*なかなか予約がとれないというレストラン BALTHAZAR で朝食。


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*ランチやおやつを買いにくる人があとをたたない Olive's 。


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*セントラルパークから見たアッパーウェストの夕焼け。


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*どこから撮ってもフォトジェニックな GUGGENHEIM MUSEUM


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*予約は6名から、かつ予約困難な FREEMANS
 ホットアーティチョークのディップが絶品。


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*SANAA が建築を手がけた NEW MUSEUM


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*NYに近日オープンする ACE HOTEL NEW YORK
 特注アメニティとディテールにこだわったシャワーの蛇口。


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*壁には各部屋ごとにディレクションされたアートピースが飾られている。


こんな感じで、全力疾走で駆け抜けた10日間。
ミネアポリスで培ってきた日常に、ふっと新しい風が舞い込んだ。
夫にはしばし不便をかけてしまったけれど、そこから得た有り難い気づきも多く、
また改めてミネアポリスの日常にも感謝する、意味深い10日間だった。


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2009年2月10日 (火)

インクのついた指

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私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で、
毎月第一土曜日に入館料が無料になる FREE FIRST SATURDAY の、とあるワークショップ。
今回私が担当したのは「Inky Fingers(インクのついた指)」という、
何とも愛らしい名前のついた木版画ワークショップのアシスタント。


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*インクで汚れないためのエプロンも、積み重なるとひとつのアートピースみたい。


猫や木、魚、葡萄、象、靴などが彫られた木版に、
インクを混ぜ合わせて作った自分だけの色を塗って、紙に刷り上げる。
馬楝(ばれん)を使って手刷りの風合いを愉しむのもいいし、
手動の輪転機で刷り上がるのを心待ちにするのもいい。


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子供たちが選んだモチーフに何色をのせるか、
また、希望の色をつくるには、何色と何色のインクを混ぜればいいのか、
家族みんなで思案する。そんなプロセスもまた FREE FIRST SATURDAY で見られる、
幸せな光景のひとつだ。


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「次に象の版画があいたら教えて。私、象が刷りたいの。」
「僕が刷った木はすごく大きいから、DOUBLE TREE HOTEL(※1)っていう名前にしたんだ。」
※1:ミネアポリスにあるホテルの名前。
など、子供たちの発想はとても自由かつ具体的。
大人の私のほうが、あっけにとられてしまう。


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出来上がった作品は、壁に貼って乾かす。
乾くまで、違うアクティビティを訪ねたり、カフェで腹ごしらえをしたりと、
過ごし方はそれぞれ。土曜日に家族揃ってこんな愉しいワークショップに参加できたら、
子供にとってはとてもいい思い出になるはず。


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そして、使い終わった木版をすばやく布で吹き上げてテーブルに並べたり、
空いたスペースのインクを拭き取って、次の家族を迎え入れたり…。
大盛況だったこの日は、来場者がひっきりなしにやってきて、
スタッフは休む暇なく働いた。
そして、気づけば私たちスタッフの指もインクだらけだった。


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2009年2月 9日 (月)

シアターデビュー

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*舞台のクライマックスに、出演者とローカル聖歌隊が挨拶をするシーン。


1月の29日(木)〜31日(土)の3日間、
私がボランティアをしている美術館 WALKER ART CENTER で行なわれた、
Young Jean Lee's Theater Company
によるパフォーミングアーツ 『 CHURCH 』 に、
ローカルの聖歌隊のひとりとして、作品に参加させていただいた。


きっかけは、私が同美術館のボランティアに登録しているから。
アーティスティックディレクターとして脚本と演出を手がける Young Jean は、
作品のクライマックスにアカペラで聖歌隊を入れるため、
この Twin Cities から聖歌隊として参加してくれるボランティアを募った。
誘いのメイルを受けとった私は、相当に悩んだ。
歌は小さい頃から好きなのに、大人になるにつれ人前で歌うことが恥ずかしくなり、
今ではカラオケもままならないほど。
でも心の底には歌が好きという気持ちが残っていて、
東京でも何度か歌を習いに行こうと試みながらも、
忙しさにかまけてなかなか実現できないままだった。
しかし、懸念材料は山積み。
英語の歌を覚えられるのか…、しかも4時間のリハーサルが2日しかない。
しかも、公演は3夜連続。いや、そもそも恥ずかしい!!!
でも、興味があってこちらでできることはすべてやっていくという、
自らが打ち立てた誓いに従い、旅の恥は書き捨てというけれど、知り合いもそういないわけだし、
一か八か、無理だったら辞めればいいという思いで、やってみることにした。


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*曲の最後のみんながはじけるシーン。


そこで、はたまた痛感させられることとなるアメリカと日本の教育の違い。
歌は上手い下手ではなく楽しむことだって、みんな知っている。
歌詞を間違えずに音程をとるのに必死で、笑って歌う余裕がない私とは大違い。
曲の最後は「踊ってはじけて」と言われ、大開放のアメリカ人と、
まだまだ恥ずかしくて萎縮してしまう、日本人の私…。
痩せていても太っていても、背が高くても小さくても関係ない。
それらのすべては個性であり、個人が輝ける源(みなもと)。
小さい頃から表現力を伸ばす教育を受けているアメリカ人と比べ、
出る杭は打たれる教育で育つ日本人とは雲泥の差。
もちろん、日本人がもつ謙虚さも大切なことだと思うけれど、
自分自身を表現する力と謙虚さは、同居できないことではないとも思う。


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*控え室で聖歌隊のメンバーと一緒に。


背が小さいひとは前と言われて、うっかり最前列になってしまうし、
いっぱい緊張もしたけれど、歌を歌うことはやっぱり気持ちよくて、
みんなと調和できることが最高に愉しかった。
3日しかない公演だったのに、初日の興奮と、中日の一瞬の気のゆるみと、楽日の高揚感を
一丁前に感じ、舞台芸術はひとつとして同じものを観られないという生の良さがあるけれど、
ひと月も同じ演目を、しかも一日に二回の公演をこなす役者さんたちの努力は、
並大抵のものではないと、恐れながら痛感した。
慣れるまでの緊張感と、慣れた頃に出る気のゆるみ、フィニッシュまでの高揚感を、
ある一定の温度に保ち続けられることこそプロの仕事であり、
ド素人の私は同じテンションを保ち続けることができず一喜一憂してしまった。

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*なんと、当日配布されたパンフレットにもクレジットされていて感動。


最高であって唯一の、かけがえのない思い出となった舞台出演。
WALKER ART CENTER に、Young Jean Lee's Theater Company に、
そして、私の迷いに理解を示し最後に背中を押してくれた夫に感謝したい。


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