food

2009年6月 5日 (金)

食べるということこそ、生きること 人生とは食べる旅

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フードディレクターとして、雑誌やテレビ、ラジオ、パーティケータリングなどで、
食にまつわる空間を創り続けて来た野村友里さん。
以前、ゆりさんが映画を撮ったことについて触れたけど(映画を撮るということ10日間
そんなゆりさんが初監督をした映画『 eatrip 』が、
ついに明日、2009年6月6日(土)〜26日(金)恵比寿ガーデンシネマにて公開になる。


初日の舞台挨拶にはゆりさんのほかに、
出演者である UA さんと浅野忠信さんも登壇するそうだ。
あいにく舞台挨拶の回はすでに全席完売だそうだが、
連日に渡って個性豊かなゲストをお迎えする「トークショー」や、
なかなか映画館に足を運ぶことが難しいお子様連れの方のために「ママのための上映会」、
また「英語字幕付きの上映会」では、外国人の方も映画館で新作の邦画が観られるなど、
かゆいところにも手が届く、多彩な取り組みが目白押し。
まさに、映画『 eatrip 』強化月間だ。
(イベントの詳細についてはコチラ


本当なら私も初日から駆けつけたいところだが、
あいにくそれは適わないので、日本に帰国したらぜひスクリーンで観たい。
ちなみに明後日、6月7日(日)7:00〜7:30AMのフジテレビ『ボクらの時代』に、
ゆりさん、UA さん、内田也哉子さんの3人が出演するそうなのでそちらもお見逃しなく。
あわせて、映画のオフィシャルサイトもとてもよくできているので、
まだご覧になっていない方はぜひコチラへ☟
映画『 eatrip 』オフィシャルサイト

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2009年4月22日 (水)

たんじょうび

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実に3週間ぶりの更新。
3週間ぶりって……と自分でも思うけど、今月はなんだか慌ただしい。
私をよく知るひとは「いつものことでしょ」と思うだろうけど、
何で慌ただしいかは、また追ってご報告することにする。


というわけで、とりあえず2週間前のことから。
おかげさまで、私も35回目の誕生日を迎えた。
こうしてアメリカで迎えることになるとは、つい5年前には思ってもみなかった。
毎年変わらず健やかに誕生日を迎えられる幸せに、心から感謝したい。


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誕生日の当日は、夫がディナーに連れて行ってくれた。
ミネアポリスで最も有名な劇場 GUTHRIE THEATER の1Fにあるレストラン Cue へ。
海のない内陸にあるミネソタでは、お肉と較べて魚介類が高い上に鮮度は低い。
だから外食する時にシーフードを食べることにしている。


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*ムール貝とハーブの白ワイン蒸し


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*ロブスターと真イカのグリル


ワインのメニューリストを開いたら、
なんとアペリティフの欄に、日本の発砲にごり酒があった。
にごり酒を食前酒に飲むなんて、アメリカ人はわかってないよねなどと話しつつも、
気になって頼んでみたら、意外にも軽くてすっきりとした甘さ。
しかも微発砲で、その泡の微細具合がいかにも日本人の仕事らしい。
これをアペリティフに持って来た、このレストランのソムリエはあっぱれだ。


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すっかりいい気分で、次に出かけた先はメジャーリーグ観戦。
ミネアポリスには、ミネソタツインズというチームがあって、
地元の人は一人残らず応援している。
Hubert H. Humphrey Metrodome は、その拠点でもあり、大きさは多分東京ドームと同じくらいだと思う。


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*どこの国にもいるダフ屋のみなさん。


この日は、シアトルマリナーズとの試合だったので、
WBC 終わりのイチロー選手や城島選手が観られると愉しみにしていた。
ところが、その日はイチロー選手には珍しい、まさかの故障者リスト入り…。
WBC の疲労は半端なものじゃなかったようだ。
とても愉しみにしていたけど、WBC で素晴らしいゲームを披露してくれたイチロー選手には、
ゆっくり休んでもらいたかったので、その日はよしとすることに。
久しぶりの野球観戦だったけど、ドームにはやはり特有の空気があって、
これといって野球好きでもないけれど興奮する。
席に座ると、後ろから名前を呼ばれたので振り返ってみたら、
なんとビッグサプライズ!お友達のまさこさんファミリーがいらしていた。
まさこさんは二児の母でありながら、とてもスマートに催しごとをアレンジしてくれる。
女性像として、私が尊敬する方のひとり。
しばしの帰省からお父さまと一緒にミネソタに戻っていらしたそうで、
偶然の再会に、一層興奮も高まる。


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*左から、まさこさんのお父さま、長男のカイちゃん、まさこさん。
 中央上、次男のケンちゃん。抱いているのはダンナサマだけど腕のみのご出演。


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*右端、この日1本もヒットが出ず、うつむいてベンチに戻る背番号2番、城島選手。


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*一緒に観戦に行った友人たち。左から、夫、友人のありうみさん、ジム、ゆりかさん。


日本では3塁側にホームのチームを応援するファンが座り、
1塁側にアウェイのチームを応援するファンが座るけど、
アメリカはあまりに広いため、敵陣に乗り込んでくるファンがあまり多くない。
よって、マリナーズ側の1塁上のスタンドもツインズファンで埋め尽くされている。
終始押され気味だったツインズにこの日は観客も見かぎり、
8回くらいから渋滞を避けるために、ぽろぽろと帰り始めるひとがいた。
しかし!その後、2点ビハインドで迎えた9回裏2アウト満塁という場面で、
ツインズの2番バッターがヒットをたたき出し、サヨナラ勝ち!


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ファンは大盛り上がり♪私たちも乗っかって大盛り上がり♪
「昨日の試合観た?」と挨拶代わりに語られるほど、ファンにとっては嬉しい快挙だったらしい。
こちらに居る間に一度は観てみたかったメジャーリーグ観戦。
その後は、友人たちとダウンタウンのバーで勝利の祝杯をあげつつ、誕生日を祝ってもらった。
試合内容も充実していたし、嬉しい出会いもあり、とても愉しい誕生日だった。


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日本とミネソタの友人たちから誕生日プレゼントもたくさんいただいた。
送料も高くつくのにわざわざ日本から贈り物をしてくれた友人や、
カードやメイルを送ってくれた友人たち、本当にありがとう。
そして知り合って間もない私の誕生日を祝ってくれる
ミネソタの友人たちの気持ちは、本当に嬉しかった。


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*左は、アルファベット順に動物が紹介されている『アルファペット』。
 右は、お仕事でご一緒させていただいたことのある亡き河合隼雄氏の著書『神話の心理学』。


大の本好きで、私が姉のように慕うみきさんから届いたたくさんの本と雑誌たち。
中でも『アルファペット』は、みきさんの後輩の方がつくられた本だそうで、
アルファベット順に動物の英語名を紹介し、そのアルファベット型の動物が、
はさみとのりを使わずにつくれるという、とてもよくできた本。
『神話の心理学』は、読んでみたかった本なのですごく愉しみだ。


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*前出左の『アルファペット』の中身。


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*左から、『スーパーマーケットマニア・アメリカ編』、『ポストオフィスマニュアル』、
『「月夜」の楽しみ方24』。


出版社に勤める高校時代からの友人、みゆからの贈り物は上記の3冊。
私の好きそうなものを選んで買ってくれたという友人の観点が、また新鮮で嬉しい。
『スーパーマーケットマニア・アメリカ編』は、私が好きなNYの食料品店 ZABARS が大特集されているし、
『ポストオフィスマニュアル』は、その国らしさは郵便局に表れるという興味深い視点で、
世界中のポストオフィスを紹介してあり、私が二十歳の頃に住んだスイスも載っている。
『「月夜」の楽しみ方24』は、文字通り24項目に分けて楽しみ方が記されていて、
秋の夜長に読みたい一冊だ。


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*人生初、自分の聖書。


コバルトブルーの表紙が目に鮮やかな聖書。
ミネソタで私が母のように慕うひとみさんと、昔からの友人のように仲の良いゆりかさんから。
私がたくさんのことを経験させていただいているのは、おふたりのおかげ。
聖書は「人生のマニュアル」と言われ、人生に起こりうるすべてのことが書かれているそうだ。
アメリカを知るには、「キリスト教」を学ばなくてはと痛感し、
今年の始めから、英語の勉強も兼ねてバイブルスタディに通っている。
とはいえ、この世で起きる事象はすべて神が創ったものだと信じるには、
あまりに私の中で消化しきれない疑問が多すぎて難しいけれど、
キリスト教の真理を知ることで、アメリカにもたらされる現象が理解しやすいのは事実。
紀元前1400年から1500年間に渡って書かれ、
この数千年もの間、変わらずに受け継がれている一冊の読み物があると思うと、
それなりの説得力がある。どれだけかかるかわからないけれど、
読んでみようと思う時に気ままに読んでみるつもりだ。


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Cuisinart のミニフードプロセッサー。


最後に、兼ねてから私が欲しいと思っていたフードプロセッサー!
これは、私のヨガの先生でもあり、たくさんの価値観を共有している大切なお友達のちかさんから。
アメリカに来て、何でもゼロからつくる奥様が多いことに驚いた。
日本で手みやげというとお気に入りのお店で買って行くことが多いけど、
こちらではパンもお菓子もお料理もみんな手づくりで、さっと作って持って行く。
外で買うものになかなか満足のいくものがないから、自分で作るようになるのだとか。
そんな影響で、日本にいる時から欲しかった、ル・クルーゼの鍋と圧力鍋に加え、
フードプロセッサーもパン焼き器も欲しいと思っていた。
特にフードプロセッサーは周りにいる料理のプロたちはよく使いこなしているけど、
ごくごく一般的なレベルの私みたいな主婦が持っていても、宝のもちぐされだと思っていた。
しかも、日本とアメリカでは電圧が違うので、買うのも躊躇していたところ、
突然いただいた袋を開けたら、フードプロセッサーがいた!!!
しかも、誕生日だなんて言ってなかったのに…。一生大切に使わせていただく。


そんなわけで、家族を始め、友人たちに本当に感謝。
みなさんのおかげで、今の私がある。
こうして私も、35歳になった。

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2009年3月 1日 (日)

10日間

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今日から3月。
日本ならうららかな春が待ち遠しい頃だけど、そうは問屋が卸さないのがミネソタ。
3月はまだまだ雪が降る季節。今日も窓からはあたたかな日差しが差し込んでいても、
外気は-16℃なのだから…恐ろしい。


実は2月の半ばから、非日常的な時間を過ごしていた。
というのも、東京からNYに仕事でやってきた仲間たちに会いに行っていたから。
しかも、仲間のうちのひとりは、長きに渡り一緒に仕事をしてきて、
私の結婚式ではスピーチもお願いしたゆりさんだったのだけど、
なんとNYに行く前にミネアポリスを訪ねてくれた。
私の友人では初めてのミネアポリスへの来客。
ついでがないとなかなか来る機会もない場所だし、
まさか本当に来てくれるなんて思ってもいなかったから、本当に嬉しかった。
ゆりさんの4日間の滞在中、夫の研修先 THE CHILDREN'S THEATRE COMPANY の、
" ROMEO AND JULIET "が初日を迎えたので、ゆりさんにも観てもらった。
今回の作品は子供向けとはいえ、シェークスピアで台詞も難しいので13歳以上が対象。
観客席がなく空間全体が舞台になっていて、役者もセットも道具も観客も、
すべてが混同しながら物語が進んで行く、非常に画期的な演出方法。
(※ ROMEO AND JULIET をクリックして、右下の動画を参照。)


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初日前夜には、初日祝いを兼ねて掘り出しもののワインを買い込み、
ちょっとしたディナーを作ることに。ゆりさんとレシピを考えて一緒にお料理をした。


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心を込めて作る料理は、いつもと変わらない日を特別なものに変えてくれる。
この日のもうひとつの楽しみは、いよいよ公開が決まったゆりさんの映画を観ること。
本当は東京に帰ってからスクリーンで観ると決めていたのだけど、
公開までに帰国できないこと、またミネアポリスでの残りの半年を過ごす間に、
映画から考えることと、アメリカで私が感じていることをすりあわせられると思ったので、
ゆりさんとも相談して、結局見せてもらうことにした。
そして何より、ゆりさんがわざわざミネアポリスまで来てくれたという特別な状況で、
おいしいワインと食事を囲みながら、夫と3人でじっくりと観られたことは、
何よりもいまの私たちには意味があった。
ゆりさんが持てる力のすべてを最後の最後まで絞り出して、
大切なひとたちと大切なことをフィルムに収めた作品。
食べること、生きること、選ぶこと、愉しむこと、地球のこと、宇宙のこと。
今の時代を生きるすべてのひとに観てほしい。

映画 "eatrip"
2009年6月恵比寿ガーデンシネマほか全国劇場公開予定。

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話を元に戻して、この日に飲んだ掘り出しもののワインというのはコレ。


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ゆりさんがリカーショップで見つけた Francis Ford Coppola Presents の "DIRECTOR'S CUT" というワイン。
DIAMOND COLLECTION は日本でもよく見かけるけれど、DIRECTOR'S CUT は初めて見た。
思わずジャケ買いしてしまうほど印象に残る外装は、
フランシス・F・コッポラ監督の映画づくりとワインづくりに対する思いが込められている。
2006年にコッポラ監督がカリフォルニア州・ソノマに移り住んだことを記念して、
それまでにつくっていたワインとは一線を画し、
映画監督のヴィジョンを最も反映させた作品 " DIRECTOR'S CUT " から命名されたライン。
ラベルには、映画史へのオマージュとして、ブドウの品種別に異なるモチーフが施されている。
ワインメーカーとして、ワインの個性やその称号を素直に表現し、
さらにはワインづくりと映画づくりの両者において、
その智慧がアメリカの真の芸術として残るよう、
妥協のないスタンダードを目指すという誓いのもとにつくっているのだそうだ。


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驚かされるのは、その特異な外装とストーリーだけじゃないところ。
中身を飲んだら、その装いをも忘れてしまうほど衝撃的においしい。
Chardonnay は、白ワインの爽やかさを残しながらも、
コクのある甘さとフレンチオークの余韻。
Zinfandel は、赤ワイン特有の渋みはあまりなく、ブラックベリーの香りとバニラの甘さに、
ピリッとスパイスを効かせた奥深さ。
共にクセのある味だから好き嫌いはあるかもしれないが、まさに質実伴った仕上がりだ。
ご興味のある方は、こちらのサイトでも購入できるようなので、ぜひお試しあれ。


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*ミシシッピ川上空に降りた天使の梯子。


ゆりさんのミネアポリス滞在最終日の夜は、現在 WALKER ART CENTER で行なわれている、
ELIZABETH PEYTON の " LIVE FOREVER " のオープニングパーティに出かけた。
同展は、このあとに出てくる2007年12月にオープンした、
NYの Bowery にある NEW MUSEUM の巡回展。
当日は全館をパーティのために開放し、美術館内のレストランとカフェをプロデュースしている、
WOLFGANG PUCK のケータリング。
久しぶりにパーティに出かけたけど、予想通り身の置き所がなくてソワソワしてしまう。
やっぱりもてなす側の方が性に合うと痛感。


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*ガラス工場で出たガラスのくずを利用して作ったシャンデリアとミラーボウルの光。

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14日の朝、ゆりさんと共に一路NYへ。
やっぱり、NYは好き。みるみる変わっていく部分とずっと変わらない部分が同居している。
アメリカの中では、一番多く行っている場所なのに、何度行っても掴みきれない。
ちっぽけな島なのに、とてつもなく大きく感じる街。

東京から来ていた仲間のほかに、メキシコやNY在住の友達も集合して大賑わい。
顔を合わせる面々は東京で会う仲間なのに、不思議とそこはNY。
でも全く違和感がない。
東京を発って半年しか経っていないのに、もう随分会っていない気がした。


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*ベジタリアンレストラン、CANDLE CAFE


NYで落ち合った仲間のひとり、いきちゃんの紹介で、
年に3か月、毎週月曜しかやっていないという、超レアなウッディ・アレンのジャズライブに出かけた。
会場はアッパーイーストにあるホテル THE CARLYLE の1階にある
こじんまりとしてクラシカルな CAFE CARLYLE
マネジャーもギャルソンもバーテンダーも、ほとんどが高齢のおじいちゃまたち。


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テーブル席は予約でいっぱいだったので、バーカウンター前のスタンディングだったけれど、
演奏と雰囲気を愉しむには十分。その中央でウッディ・アレンがクラリネットを吹いている。
仲間とのセッションを愉しみながらも、自分の出番が終わるとうつむいたまま。
その姿が失礼ながら、あまりにもかわいらしくて、
ギャルソンのおじいちゃまたちが醸し出す雰囲気と相まって、おとぎの国にタイムスリップした感じ。
動画撮影禁止のはずだけど、なぜか You Tube にアップされていたので


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*なかなか予約がとれないというレストラン BALTHAZAR で朝食。


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*ランチやおやつを買いにくる人があとをたたない Olive's 。


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*セントラルパークから見たアッパーウェストの夕焼け。


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*どこから撮ってもフォトジェニックな GUGGENHEIM MUSEUM


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*予約は6名から、かつ予約困難な FREEMANS
 ホットアーティチョークのディップが絶品。


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*SANAA が建築を手がけた NEW MUSEUM


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*NYに近日オープンする ACE HOTEL NEW YORK
 特注アメニティとディテールにこだわったシャワーの蛇口。


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*壁には各部屋ごとにディレクションされたアートピースが飾られている。


こんな感じで、全力疾走で駆け抜けた10日間。
ミネアポリスで培ってきた日常に、ふっと新しい風が舞い込んだ。
夫にはしばし不便をかけてしまったけれど、そこから得た有り難い気づきも多く、
また改めてミネアポリスの日常にも感謝する、意味深い10日間だった。


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2009年2月 4日 (水)

もぐもぐ

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*焼きたての“パン・オ・ショコラ”。


もぐもぐ食いしん坊にはたまらない、こちらで出会ったおすすめ食材をふたつご紹介。

ひとつめは“パン・オ・ショコラ”。
アメリカでもパンはよく食べるけど、総体的にはヨーロッパの方がおいしいと思う。
時折「これはアタリ!」って思うこともあるけれど、
ヨーロッパで食べるパンはハズレることが少ない。
でも、これは大ヒット!だった。まるでフランスで出てくるような“パン・オ・ショコラ”。
一時発酵が済んだ状態で冷凍されたパン・オ・ショコラの原型たちを、
オーブンパンに並べて、一晩自然解凍+発酵させる。
あとは、翌朝オーブンで20分程度きつね色になるまで焼くだけ。
たったそれだけで、焼きたてのパン・オ・ショコラが食べられるという贅沢。


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*一晩かけて自然解凍+発酵させた状態。


ちなみに、このパン・オ・ショコラは、
カリフォルニア生まれのスーパーマーケット Trader Joe's で買える。
私は、クロワッサンでもパン・オ・ショコラでも、よく焼けている方が好きだ。
これは焼き加減も自分で調節できるから、好みに合わせて焼き上げることができて、
一層満足度が高い。玄人っぽく焼き上げるなら、焼く前に溶き卵をさっとひとはけ。
こんがり焼きたてパン・オ・ショコラには、濃いめのエスプレッソかカフェオレかな。


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*パン・オ・ショコラの外装パッケージ。

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*最初の状態は、箱の右にある写真のようなイメージ。


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ふたつめのおすすめは、卵を使わずコレステロールゼロの“ベジネーズ”。
本来マヨネーズは好きだけど、アメリカのマヨネーズはこってりしている割に、
味がイマイチで好きな方ではない。すると、ハワイに住んで4年の幼なじみが、
ソイマヨネーズがおいしい、と教えてくれた。


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このベジネーズの原材料は、キャノーラオイルと水、ブラウンライスシロップ、
アップルサイダービネガー、大豆プロテイン、シーソルト、マスタード粉、レモンジュース。
サンドウィッチを作るのにパンに塗ったり、ディップに使ったりするのだけど、
味も申し分なく、保存料も入っていないし、
使い勝手もよく、食べ心地もライトで、とても気に入っている。
近頃、卵を食べられない子供や大人も多いので、
こういうマヨネーズだけでなく、個人の特徴によって食材が選べる世の中が一般化されて、
誰もが気軽に手に入れられる場所が増え、きちんと個人で選択出来るようになるといい。


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2008年12月30日 (火)

セロリのきんぴらとお麩入りひじき

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こちらはセロリが安い。
元々セロリは大好きだけど、日本では割高で頻繁には買わなかった。
こちらではいつも冷蔵庫にセロリを入れてあって、野菜スティックに、
スープに、サラダに、煮込みに、と大活躍だ。
今回は義理の母が送ってくれた、山形の新米に合わせて、
何か和風のおかずをと思って考案した「セロリのきんぴら」。
セロリは繊維を切るように斜めに、好きな大きさでザクザクと切り、
ごま油で炒めて、お醤油とブラウンシュガーを少々。
最後に七味か一味をふって、炒めた余熱でなじませる。
シャキシャキとする歯ごたえを少しだけ残すとおいしい。
もちろん、お酒の肴にもぴったり♪


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こちらも義母から送ってもらった日本の食材で作った「お麩入りひじき」。
こちらで生活をしていると、こういう日本のシンプルなおかずが一番おいしく感じる。
お揚げが手に入らないのでコクがイマイチ出ないけど、
お麩を入れて、その歯ごたえを楽しめるようにしたら、とってもおいしくできた。
義母のおかげで、日本食が恋しくならずにすんでいる。
こういう食事ができる毎日が本当にありがたい。心から感謝。
小さな幸せが、大きな幸せに感じられる毎日。


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壮行会

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ミネアポリスに研修ビザで1年半滞在していた日本人のお友達が、
12月の半ばに帰国することになり、数人で集まって壮行会をした。
数品持ち寄りだったので、トルティーヤを散りばめた「アボカドとスピナッチのサラダ」と、
この間のお料理教室で習った「アップルクリスプ」をデザートに持って行った。
特に「アップルクリスプ」づくりに至っては、
いつも使い切る自信がなくて買ったことがなかったオートミールを初めて買い、
ブラウンシュガーしか家になかったので、オーガニックシュガーを買ったり。
いつも材料ありきで適当に料理をするので、
何かを作るために材料を買いそろえることがほとんどない。
行程自体はとてもシンプルだけど、初心者の私はちゃんとできるのかドキドキしながら進む。
お菓子づくりは正確さが大切な鍵だと、パティシエの友達に習ったので慎重に分量を量り、
丁寧に混ぜ合わせる。しかもアメリカのレシピだったから、
アメリカサイズの単位とカップ数を日本のカップに換算したりして、
数学が苦手な私は一生懸命頭をひねった。


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結果、なんとかカタチになった。
砂糖を4割減くらいで計算して作ったのに、なぜかまだ甘かったけど…。
付け合わせには、経験済みの豆冨クリーム。
前回レシピ通りに木綿豆冨で作ったら、ざらりと下に残る感じだったので、
今回は絹ごしを使ってみたら、とても滑らかでクリーミーに仕上がった。
みなさんの反応も上々。これなら、私でもまた作れそう。


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ちなみにこちらは、ホストのお友達が作ったイタリア人直伝のティラミス。
すばらしい!しかも、甘すぎずおいしかった。


壮行会で送り出したお友達は、
ビザの滞在可能期間が終わっての帰国だったのだけれど、
外国人か否かに関わらず、近頃こちらでも経営難の話をよく耳にする。
日本同様、あまりの不況に解雇されたり、志願退職を募っていたり、
どこの企業も先行きはとても不安のようだ。


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*お友達からいただいたテレビ台。夫が立て板の位置を付け替えて、見事HDプレーヤーが収まった。


彼女の引っ越しの際に、使っていた家財道具を一部引き取らせていただいた。
私たちは1年しかいないのだからと、買うものは必要最低限のもにとどめ、
つとめて部屋に愛着がわかないようにしてきた。
ところが…、引き取り手がいないからもらってくださいと彼女が言ってくれたモノたちは、
私たちが、あったらいいなと思うものばかりだったし、
もしも私が彼女だったら、知り合いに活かしてもらえるなら嬉しいと思ったので、
積極的に引き取らせていただいた。


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*半円でテーブル部分が開き、収納になっている。今はお気に入りの花瓶にお花を飾っている。


しかもランプに至っては、買おうと思っていた矢先にいただいたので本当にありがたかった。
ランプや小さなテーブルや棚が入っただけで、不思議とぐっと家らしくなってきた。
私たちがこちらに来て、もうすぐ4か月が経とうとしている。
すでに、全滞在期間の1/3が経過することになる。まさに、光陰矢の如し。
この勢いだと、あっという間に半年が経ち、今度は私たちが帰国の番だ。
せめてそれまでの貴重な時間を、
日本へひと足先に旅立って行った彼女のおかげで、
すっかり過ごしやすくなった部屋で大切に暮らそう。


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*あかりって大切。ランプが端に来ただけで、部屋が落ち着いて見える。


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*彼女の冷蔵庫に入っていた食材で作った「スモークサーモンとトマトのパスタサラダ」。

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2008年12月 5日 (金)

アメリカの食事情

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ミネアポリスの食のオーガニック事情について知りたいと言ったら、
友人に一番始めに連れて行ってもらったのが、この French Meadow Bakery & Cafe
1985年の開業当時から、使う食材のすべてを USDA (アメリカ農務省) 認定のオーガニックのものに徹底し、
消化、栄養吸収がよいとされる自然発酵にこだわったパンをつくり続けている。
ミネアポリスの UPTOWN にほど近い、Lyndale Avenue と 26th Street にあって、
ブレックファスト、ランチ、ディナー、ベイカリー、ケータリングと、
安心な食事ができるカフェにしては、使い勝手がよい。
土日のブランチは、ひっきりなしに入ってくるお客さんで賑わいをみせ、
暖かい季節には、店内はもちろんテラス席までひとで埋め尽くされるほどの人気ぶり。
パンはスーパーに比べたら少々高めだけれど、もちろんおいしいし、
一日前のパンを5〜6アイテム袋詰めにして$2という“Day Old Breads ”はとてもお買い得だ。
カフェメニューは、パンケーキやエッグベネディクト、ラップサンド、サンドウィッチ、
スープ、サラダ、肉・魚料理の他に、Vegan(完全菜食主義) メニューのバリエーションも豊富だし、
Gluten Free(小麦やライ麦などに含まれるたんぱく質の一種“グルテン”が入っていない)
のメニューもきちんと用意されている。
ちなみにこの、Gluten Free。アメリカのスーパーではあまりによく目にする文字。
日本で単語だけは聞いたことがあったけれど、Fat Free 食品のように、
健康管理のために食材を選べるようになっている程度のものとばかり思っていたら大間違い。
これらは、セリアック病と呼ばれる自己免疫疾患対策の食品だった。
セリアック病とは、グルテンの入った食品を摂取すると、
そのたんぱく質によって小腸内膜がダメージを受け、
ガスが溜まったり、下痢、消化不良による胃腸の不快感という症状が出るだけでなく、
小腸の栄養吸収がうまく行われずに、貧血症やビタミン不足を招くというもの。
アメリカでは、100人に1人の割合でセリアック病患者がいるそうだから、
かなりの需要度があると言える。


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*French Meadow Bakery & Cafe 店内のショーケース。
 ただ…、スウィーツは卒倒しそうなほど甘かった…。


こちらに住んで、家庭の食と経済事情について考えるようになった。
アメリカでは肥満や、それに伴う生活習慣病が深刻な問題になっているけれど、
その状況を目の当たりにするまで、食生活の取捨選択は嗜好性によるものだと思っていた。
例えば、私たちはまだ車がないのでバスにとてもお世話になっている。
一般的に、バスは中低所得者層向けの交通手段だと言われていて、
日本人のメタボ族なんて比じゃないほどに太ったひとが多い。
それも食生活にまで気を配れるひとが少ないということなのかもしれない、と、
多少突飛かもしれないが、なんとなく疑問に思っていたので食事情について調べてみた。
すると、ニューヨークに栄養教育学留学中という、ある日本人の方のblogに行き着いた。
『ニューヨーク食育&フード事情』 というサイトで、
そこには私が漠然と感じていた、家庭の経済事情との関係について、
とてもわかりやすく書いてあった。
その中に「1日$1ダイエット」という記事があって、
なんでも、アメリカ人の一日あたりの平均食費は$7と言われていて、
政府による低所得者向けの食料費補助対策“ Food-stamp ”を受けている家族が許可されている、
一人あたりの金額は一日$2〜$3。つまり、低所得者層の家庭はむろん、
中堅層家庭でも健康的な食事を維持するのはひと苦労だというのだ。


これを読んで、肥満には嗜好性だけでなく、経済事情も大きく影響するのだという裏付けができた。
また近年では、離婚率も高くなっていて、中低所得者層で離婚した女性が子供を育てている家庭では、
栄養環境が行き届かないことも極めて多く、二次的な病気を招き、
医療費や社会保障問題にも発展しているという。
先にあげた、USDA(アメリカ農務省)のサイトでは、
より健康的な食生活を推進するために、各自が食べたものを入力することで、
食生活のグラフがつくれる“My Pyramid”や、生産者の訪問や、学校給食事情を取材したり、
Halloween や Thanksgiving などの行事別に、よく食べる食材についての安全性を解説する番組が
すべて、Pod Cast で見られたりする。
どれもすばらしい取り組みだが、問題は中低所得者層の人々が、
そういった情報をインターネットから気軽に得られる環境にないということだ。


例えば、私が愛用しているスーパーでは、
オーガニックのセロリ(約450g)がひとつ$1.05。
オーガニックのにんじん(約900g)が一袋$1.29。
オーガニックのホワイトマッシュルーム(約230g)が$1.75。
日本のオーガニックの野菜と比べれば数段安いが、
$4あれば、マクドナルドでバリューセットが食べられる。
家族全員のお腹を満たすためには、お手軽なジャンクフードで済ませるのも無理はない。


でも、こう考えてみたらどうだろう。
新鮮でできるだけ身体によい野菜や卵、肉、魚、パンを一週間分買うとする。
うちの場合、概算で一日あたり$10〜$12くらいだ。
あとは調理法や手間を考えなくてはいけないけど、
この金額に収まるのなら、少々高くついても安心な食材の方がいいと思ってしまう。
でも、一日の平均食費$7から$3オーバーしてしまうことが、
明日に響く生活状況だとしたら、$1の差はとても大きいし、それも十分に理解できる。
働かないと食べられなくて、料理をする時間もないのかもしれない。
でもどんなに小さなことからでもいいから、食材のバランスや栄養を考えて、
ジャンクフードに手を伸ばさないだけで、体型だけでなく精神性も変わると思う。
ニューヨークやカリフォルニアなどでは、スーパーなどに生産者や栄養士などを招いて、
中低所得者層向けの食育プログラムを行なう機会も増えているようだ。


食べるものにこだわって食にお金をかけられるひとと、かけられないひと。
ひとは見かけによらないと言うが、見かけがそのひとの考え方から培われるのなら、
容姿は、その人となりを知るうえで最初の大切な入口になるのかもしれない。

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2008年12月 1日 (月)

Thanksgiving Day と Black Friday

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11月の第四木曜日は Thanksgiving Day と呼ばれる感謝祭のため全米が祝日。
神の恵みに感謝をして、家族や友人と共に食卓を囲む風習だ。
幸い、天候にも恵まれ、すがすがしいキーンとした冬の空気。
その日は街中が休み。車通りも少ないし、交通機関以外はほとんど停止していた。
私たちは、その日の午後に車を見に行く約束があったので、
ダウンタウンでバスを乗り換えようと思って出かけたが、まるでゴーストタウン。
街で見かけたのは、寒そうに身体を膨らませている雀や鳩と、ホームレスの人々くらい…。
Thanksgiving の朝に外出するひとなんていないんだ…と知った。
セントポールまでは少し距離があるのと、あまりの寒さで、
トイレに行っておこうと探したが、お店がやっていないのでトイレにも行けない。
都会の真ん中で、まさかトイレに不自由するとは思ってもみなかった。


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夜は友人宅におよばれして、Thanksgiving 恒例のターキー(七面鳥)をいただいた。
まるごと焼かれたターキーに、グレービーソースとクランベリーソースをかけていただく。
元々ターキーは嫌いじゃなかったけど、グレービーとクランベリーとの相性もよく、
予想以上に感動するおいしさだった。


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アメリカ人にとっては季節がやってくると食べたくなる恋しい味で、
パンプキンパイとセットで必ず食べたくなる味らしい。
日本人にとってのお雑煮みたいなものだろうか。それとも、おでんかな?


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*Thanksgiving の日の夕暮れ。空気が澄んで辺りは静かで空が薄紫色でキレイだったので。


翌日の金曜日は、全米をあげて大セールの日。
その日の売上は必ず黒字に転じるので“Black Friday ”と呼ぶそうだ。
その大セール、なんと朝の4時や5時からスタートする。
外はまだ真っ暗だし、ミネソタに至っては零下にも関わらず、お客さんは並ぶらしい。
そんな経験も滅多にないからと早起きをしようと思ったが…、やはり無理だった。
遅れをとったが、10時くらいには出かけてみた。
バスで30分ほど南西に行った Southdale Shopping Center というところに行ってみた。
お洋服屋さんもたくさん入っているし、Apple Store もあるので、
お目当ての最新 iPod nano が安くなっていたら買いたかったのだ。
そして…、それらはそこにあった。


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満を持して、買ってしまった。
実は、デジタルオーディオプレーヤーを夫に買ってもらったのは二度目。
一度目は誕生日プレゼントにもらった、i river。
当時最大容量の5GBで、カラー液晶を誇るデジタルオーディオプレーヤーだったけれど、
途中で巻き戻しを止めるプロセスがとても繊細で、
もう一度聞き直そうと巻き戻してちょっと指がすべると、最初まで巻き戻ってしまう。
そのあと元のところまで永遠に指で押さえ続けないと進まない。
決定的だったのは、私のラップトップ(Mac)と互換性がないことだった。
(*それ以降の機種は互換性があるものもある。)
そんなわけで、日の目を見ないままになってしまって心苦しくもあり、
新しいものに踏み切る勇気もなく、ずっと音楽を持ち歩くのは諦めていた。
個人的には、同じ nano なら、第三世代のデザインの方が好きだった。
ずんぐりむっくりな方が好きなので、いまだに classic は魅力的。
でも、第四世代を持ってみたら本当に軽いし、薄いし、価格とのバランスもいい。
意外とデザインもスマートで、欲しかった黒が最後の一個だったのでお買い上げ。


なんと強気の Apple Store が、この日限定で全商品すべて値下げ。
iPod nano の8GBは、$149が$138になっていた。
でも、念のため近くの家電量販店、BEST BUY も覗いてみることに。
するとこちらもセール中で nano を1台買うと、$20のギフトカードがついてくるとある。
ちょうどプリンターを買おうと思っていたところだったので、
2台買えば、安いプリンターが買えるというわけだ。そして…、


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これも、ついてきた。
まだシールも剥がしてないけど、残り9か月しか使わないし、
プリンター、スキャン、コピーの最低限欲しかった機能は付いている。
このほかに、500枚入りの用紙も手に入った。


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帰り道、ダウンタウンのメインストリートである Nicollet Mall をパレードが通っていた。
なんと、Thanksgiving から Christmas までの毎週木曜日から日曜日まで、
車の通行を止めて、電飾を巻き付けた車や人が踊りながらパレードをする。
寒さにも負けず、道ばたにはひしめくように人が密集し、
寒さに負けた人は、ビルとビルを2F部分で繋ぐスカイウェイと呼ばれる
ガラスの通路から眺めていた。
まさに、身も心も踊るような Black Friday だった。


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2008年11月26日 (水)

議論をしつくす

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今日は、ミネソタに移り住んで27年の日本人女性が主催するお料理教室に行ってきた。
異国の地でがんばっている日本人の若い奥様や母親が集って、
生活情報や育児論をシェアしたり、議論したりできる場所を用意したいと、
彼女の自宅を提供して、ポットラックパーティ(各自一品ずつ持ち寄るパーティ)と
お料理教室を、毎月第2・第4水曜に開催している。しかも、会費は一切必要ない。
世の中には、人のために積極的に活動しているひとが、
たくさんいるのだと知って、背筋が正される思いがする。
ご主人は、ミネアポリスに拠点を構える Minnesota Orchestra のチェリスト。
結婚を機にミネソタに住んで、立派に育て上げられた3人のお子さんたちは、
ご両親の音楽の才能を受け継いで、全員音楽の道に進んでいるそうだ。


今日のメニューは、明日が Thanksgiving Day(感謝祭)ということもあって、
「パンプキンパイ」と「アップルクリスプ」。
コンデンスミルクや、ショートニング、オートミールと、
お菓子素人の私には、名前は知っているけど自分で買ったことがない代物ばかり。
焼き上げる時間こそかかるが、道具と材料だけ揃っていれば、
段取り自体はシンプルで、とてもおいしそうにできあがる。
アップルクリスプには、ミネソタの名産のひとつリンゴの特徴でもある、
酸味が効いたものがいいらしい。

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パンプキンパイとアップルクリスプが焼き上がるまでの間、
育児についてのディスカッションをする。
子供がいるおかあさんも、そうでないひともいろいろだが、
つまりは家族の在り方について学べるとてもいい機会だ。
その日のテーマは『コミュニケーションか爆発か』。
「若い母親に贈る8章」(ジョン・ドレッシャー著)というテキストが配られた。


そこには、こんな興味深いことが書かれていた。
ある夫婦のための研修会で、
「あなたがたの結婚生活でいちばん大きな問題はなんですか。
 それについてどうしようと考えていますか。」
と聞いたところ、コミュニケーションの問題が浮き彫りになり、
 ・ほんとうに問題になっていることについて話し合わず、表面的な話ばかり。
 ・問題にぶつかると、石のように黙るか、相手を怒鳴りつけるか。
 ・じっくりと話し合う時間があえればと思うけど、なかなか難しい。
などという反応があったそうだ。
議論をするという行為は、行き過ぎるとお互いの不一致にまで発展することになるので、
お互いを傷つけたり、お互いの心を乱したりすることを恐れ、
コミュニケーションをしなくなる、というのが著者の問題提起。
でもこれらのことは、夫婦間の問題だけでなく、
親子でも、恋人でも、仕事のパートナーとの間でも、
多かれ少なかれ、誰しも思い当たる部分があるのではと思ったので、
書き留めておくことにした。


ある作家がこんなことを言っていたらしい。
「レストランや公園で、男女が座っているのをみたら、その会話に注意してみよう。
 もし女性が男性のつぶやく一言一言に感動し、男性も熱心に相手の返事を待ち、
 それを嬉しそうに聞いているならば、このふたりは結婚していないとみて間違いない。
 しかし、女性がぼんやりと一所を見つめ、男性も別の方を見つめていたり、
 一方の唇が動いているのに、一方は一向に聞いていないようであれば、
 結婚指輪を見るまでもなく、間違いなく夫婦である。」と。


作家の言うことなので、いささか極論ではあるけれど、一理あるなと思ったのは、
恋人同士の話し方と、夫婦の話し方とでは、その関心の矛先に違いがあるように、私は思う。
恋人は、話の内容はもとより、まだ見ぬお互いという人間に興味をもっているわけで、
紡ぎだされる会話の端々から、その人となりを読み取ろうとするのに一生懸命だ。
一方、夫婦はお互いの人間性をよく知ったうえで毎日を重ねていくので、
お互いの行動パターンを大方予測しながら、物事について会話を重ねて行くことになる。


どうして育児ディスカッションの場で、夫婦間のコミュニケーションが問題になるかというと、
夫婦間のコミュニケーションと、夫婦と子供たちのコミュニケーションには、
緊密な相関関係があるから。
子供がいがみ合ったり、気がむずかしくなったり、欲求不満だったりすることに気づいたら、
まず立ち止まって自問し、それが夫婦間のコミュニケーションの貧しさのせいだと気づくだろうと。
夫婦喧嘩の原因ナンバーワンは、子供についてのことだと言われるが、
それは親子に問題があるからではなく、夫婦に問題があるからなのだと、著者は言っている。


コミュニケーションを妨げるもの。
 ・逃避
 ・沈黙
 ・皮肉、嘲笑
 ・過去を持ち出す
 ・泣き出す
 ・出て行く


特に、「いつも〜だから」、「絶対に〜しないんだから」という会話は、
相手をそうと決めつけ、未来を否定することにつながるので、使ってはいけないそうだ。
妻について語るある男性のおもしろい会話があった。
「私が話を始めると、彼女はヒストリカル(懐古的)になってね。」
「ヒステリカルじゃないの?」と友人が尋ねると、
「いや、ヒストリカルだよ。私が昔やったこと全部を持ち出すんだから。」と。
上記のことを裏付ける話で、以前、私が聞いたことがあるのは、
女性は、時系列を縦に一緒にする(過去/現在/未来)のが得意で、
男性は、横に同時並行させる(異なる事象を並行して実行する)のが得意なのだそうだ。
ふむふむ。大人になった今では納得できる部分もある。


総じて、コミュニケーションを助ける大切な条件は、
「心から相手のことばに耳を傾けること」。
相手のことばそのものだけでなく、何を言いたいのかを理解しようとすること。
そのことばに隠された“含み”を汲み取れるかどうかで、コミュニケーションの幅は大きく変わる。
そこにはこうも書いてあった。
「人間は本来、他のひとの助けなしでは、自分自身を見ることができない。
 だから、相手のことばに耳を傾けないでいると、成長するための洞察力を失うばかりでなく、
 コミュニケーションまで破壊してしまうのである。」
つまり、相手を思う気持ちと信頼はとても大切な要素になる。
「〜をしてくれるから」とか、「〜ができるから」好きなのではなく、
そのひとの存在自体を愛すること。
また、自分が愛していると思っているだけでなく、相手がそう感じることが大事。
相手が感じてくれて初めて、気持ちが通っているということになるのだから。


コミュニケーションにはレベルがあるのだと思った。
大切なひと同士なら「コミュンケーションをしない」ということはそうないはず。
ただ、そこにはある一定の深度があると思う。
少々衝突しても、それは一時のことと考え、踏み込むべき大切なことには、
とことん議論をしつくし、日が暮れるまでに解決し、怒りや憤りを溜め込んだまま眠らない。
それが積み重なっていくと、感情も肉体もいつか耐えられなくなる時がくるからだ。
とかく子供のいる家庭では、夫婦ふたりだけになることは難しい。
1年に一度でもいいから、誕生日や記念日などにふたりで出かける機会をつくり、
「話す」という時間と空間をつくることが大切なのだそうだ。
多分それは夫婦においてだけでなく、東京で忙しい毎日を送る恋人や仲間も同じ。
相手を思う気持ちがあればだいじょうぶ。

自分では日頃からコミュニケーションを大切しているつもりだけれど、
改めて気づかされることも多く、とてもいいきっかけをもらった Thanksgiving Day の前日だった。


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2008年11月17日 (月)

週末のブランチ

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おしゃれな 凸版印刷屋さん のお隣りにある、気になっていたカフェでブランチ。


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*店内の様子。


このカフェ、LORING PARK という公園の向かいにあって、静かでとてもいい。
階上がアパートなのだけど、ひとが降りてきたかと思うと、
ふらりとビールやコーヒーを飲みに来たりして、近所の住人に愛されているのがわかる。


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*カウンターの様子。


こんな風に、カウンターから席が埋まっていく。
テーブルがどんなに空いていても、お客さんはひしめき合ってカウンターに座りたがる。
カウンターがまっ先に埋まるお店はいい店だというのが私の持論だ。
こんなレストランバーが住まいの下にあったらいいなー。


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*ほうれん草とアボカドとパプリカとマッシュルームのフリッタータ(卵焼きみたいなもの)と
 自家製フレンチフライ。


お料理もなかなかおいしかったし、サービスもよかった。
でも、デザートはやっぱり気絶しそうなほど甘かった。
最後まで食べ終わるのにコーヒーが何杯もすすむので、一層身体に悪い。
たまにはいいかと、自分をなだめる。

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この日は、ブランチの前に午前中からセントポールに車を見に行った。
極寒の地ミネソタの-20℃になる冬をいかに Survive するかが目下の課題。
何度か-5℃の屋外で20〜30分バスを待ったら、すでに凍りそうだった。
あと9か月のために車を買うかどうか迷っていたのだけど、
大げさなようだがやはり生きのびるために必須かもと思い、
いい中古車に巡り会えば買うことにした。車種にこだわらなければ、$1,500くらいで手に入る。
中には$500なんていうのもあるけど、逆にその安全性が心配になる。
万が一、真冬に路肩でエンジンが壊れて、暖房が効かなくなったら…と思うと不安だ。
というわけで、車を売りたいという人のところを訪ねていた。
バスを乗り継いでいくのだけど、途中乗り換えなければならないバス停を、
自信満々に通り過ぎてしまい、バス停を4つくらい走って戻ることに。
案の定、乗り換えたかったバスは行ってしまい、次のバスがくるまで20分待たなきゃならない。
しかも、その戻らなきゃいけないバス停は川向こう。
ミシシッピ川を越えてしまっていたので、渡る前のバス停まで歩いて戻ることに。


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*ミシシッピ川に架かる歩いて渡れるトンネル。


ミネソタ大学の校舎が点在しているエリアだったので、
自転車や徒歩でも渡れるようにトンネルがあるのだけど、
これはどのくらいの長さがあるのだろう。入口から出口が見えない。
ミシシッピ川を歩いて渡るという、とても貴重な経験だった。


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